表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女になった親友と異世界ダンジョン攻略  作者: りょうりちょー
第2章 王都からの冒険者生活
166/229

ランク3になったりする

前回の戦闘よりも攻撃力、防御力共にアップしてると実感できる戦いだった。


あとは攻撃パターンとかもちゃんと把握したのが良かったのかな。


「修司、怪我はない!?」


勝利の余韻に浸ってたら、2人がいつの間にか俺の側まで来たようだ。有紀の開口一番は心配する発言なのも毎回そんな感じがするな。


「ああ、まあ多少食らってるけど、防具も慎重してたから然程ダメージは無いかな」


「なら良かった…」


「修司君は中々面白いね」


エミリーは良く分からない感想を言うな。


「まあ、一度ギルドに戻ろう」


俺は2人にそう伝えて、冒険者ギルド…の出張所だけど、そこに戻ることにした。


ただ体力的には連戦は可能だし、やはり以前よりも余裕が出てきてるな。


「お、今日もシカ退治してくれたのか?」


ギルドのオッサンが迎えてくれる。


今日は、と言うか何時も他にも冒険者が居るんだけど、やはり有紀とエミリーの姿を見てざわついてる。

けど気にしない。気にしてたらこういう場所に来れないし。


「今日は採集の依頼してなかったんだな。とりあえずシカ討伐の報酬1万コムだ」


「ありがとうございます」


礼を言い、報酬を受けとる。


1万コムと言うのは大金なのかそうじゃないのか、いまいち金銭感覚が掴み辛い。


日本円と大体同じ感じなのは分かるんだけど…何せ一人暮らしをしたことがないから、生活費がどのくらいかかるのか分からないし、比較しにくいんだよな。


「ああ、それと」


オッサンが俺が渡した冒険者カードを返しつつ…


「おめでとう、ランク3だ!」


そう祝ってくれる。


陽気なオッサンだからその笑顔はたぶん本心から祝ってくれてるんだろうなって感じがする。


「それで、あれか?やっぱりシカの討伐からは離れるのか?しばらく討伐で稼いでくれればランク4までは早いと思うが…」


うーん、正直悩むよな。


ランクって言うのはある意味身分証の役割がある。


俺の世界だってどこの学校行ってるかと言うのが比較やイメージ作りに一役買ってるし、そんな感じだ。


ランク2から3になったのは良いが、中級と言われるのはランク4からだし、お金のほうも討伐続ければ溜まるし。


けど、今後の予定はある程度定めてるし、その予定に沿いたいと俺は思う。


「申し訳ないけど、この後の予定も決めてあるので…」


「そうか、残念だけど仕方がないな。…そうだ。今後あれだろ?アトス山の他のエリアで活動するんだろう?」


「そうですね」


「なら、ちょっと贔屓してあげよう。アトス山の東部エリアで活動しているクランが構えてる拠点があるんだが、明日そこに向かう予定の商人が護衛依頼を出してるんだ。やってみるか?」


護衛依頼。これは依頼人を目的地まで送り届ける依頼だけど、大抵こういう場合は荷物の移動も行われることが多い。


見ず知らずの冒険者に護衛を任せても荷物を奪われたり、最悪の場合殺されてしまう恐れがあることから、この護衛依頼はギルド関係者の眼鏡に適う者にしか提示されない。


要するにこのオッサンは俺が信用できると踏んで提示した依頼という事になる。そしてこの手の依頼は報酬も旨い。


「良いじゃん、受けなよ修司」


有紀がお勧めする。どの道向かう方向ではあるからちょうど良いか。


「分かりました、引き受けます」


「よし来た!依頼人には伝えておくから明日の朝こちらに来てくれ」


これで依頼の受注終了だ。


エミリーがさっきから静かだと思ったら、ソファーに座ってるガラの悪そうな冒険者と会話してた。


あれはナンパされてるのか?…いや、エミリーの場合逆ナンもありうるか…


と思ったら、違った。


エミリーはガラの悪そうな冒険者に小さな包みを渡して戻ってきた。


ガラ悪そうな笑顔で冒険者もそれを受け取って、それからはもうエミリーに視線を向けることなく雑誌(いや、新聞かな?)を読み始めてる。


「何かしてたの?」


「いや、単に情報収集だよ」


「ほう?何の情報を?」


「うんと…、取りあえずお腹空いたし修司の大好きなカフェいかない?」


俺別にカフェが好きなわけじゃないんだけどね。


ただ腹が減ってるのは俺もなので、その意見には同意だ。






カフェで昼飯…となると俺はパスタを頼むことにした。


パスタ…ここにもあるんだなって感じだけど、ついでに言うとミートソースもあるんだよなあ。


ただ俺の世界に比べると量が多い。最初に見たときは「これ3人前かな?」と思ったもんだ。


冒険者はカロリー消費が多いんだし食事量が多いのは当然なんだけど、やっぱりイメージしてた量より多いと「え?」ってなるんだな。


けど、旨いんだよなぁ。


細かい味は分からないけど、アルカ村から北上するにつれ味が濃くなっていく傾向があるようだ。


ここのパスタも例外ではなく味は濃いのだけど、ソースの量を少なめにしてもらえるから、パスタの量に対してかけるソースがちょうど良い按配になって旨いんだろう、と俺は推測してる。


まあ評論家じゃないから食べられれば良いんだけどね、結局の所。


フォークでくるっと麺を纏めて口にする。有紀もエミリーも同じように食する。


スプーン使う女子が多かった気がするけどどっちが正しいのか。


「ん?スプーン…?ボクは使う習慣なかったでしょ?」


「あ、聞こえてたか」


「割とボソっと言うの聞こえる事があるね」


有紀が苦笑いする。「なにを今更」みたいな顔だ。確かに割と声に出てたりするし、このままじゃ危ない人に成りかねないので気をつけたいなと思う。


「修司君達の所は使ってる子居たね、そう言えば。でもこの世界では使わないのが普通だよ。洗い物増やすような事したくないでしょう?」


あーそういう理由なんだ。


たかがスプーン1本、されどスプーン1本。塵も積もれば山となる。


冒険者全員に対してパスタの際にスプーンをつければその分洗い物の量が増えるし効率的ではないから必要な器具だけしか添えない、という感じだな。なるほどね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ