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香浜警察物語〜セルウス〜  作者: アーサー・リュウ
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第6話:龍頭城


桜井が完全にビルの中の閉じ込められた。そして、相楽の狙撃も当たるかは不確定だ。


その状況下で、剛山から発案が出た少し無茶かもしれないが、私に残されたカードは徒歩支援班は桜井の救助が任務だそれ相応の装備は持たせたつもりだ。


「L85のグレネードランチャーを使用してホーネットX2の気を引かせろ。撃った後はすぐに遮蔽物の陰に入れ、いいか撃ったあとは奴のターゲットはお前らに向く、拳銃弾で撃たれるのとは違う防弾チョッキもほぼ無駄だ。いいな?」


私はそう言って、剛山らに指示を送った。

ホーネットX2の現在の仕様からはあくまでも対戦車装備を主観に置いた装備をしているという情報を元にした判断だ。

対人用ではないのでロックオンされる恐れはないが、ロックオンされないだけで無造作に銃弾をばら撒くようには元のシステムに組み込まれているらしい。


相当危ない選択だとはわかってはいたが、対空兵器がない軍隊じゃない我々に出来る最大の手段だと感じられた。


剛山のカメラ画像が動いて、右側面を向くホーネットXに徒歩支援班3人がL85A2が向けられ構えている様子が映し出された。


グレネードランチャーに装填されている弾は対工作機体用の特殊な弾だ。防護仕様の戦闘機体以外の一般的なものであれば数発で破壊できる衝撃を発生させるものだ。

通常の対工作機体作戦なら破壊してパイロットを逮捕する分のはギリギリ過剰にならない打撃力を持っているが、

防弾仕様の軍用の物なのでダメージを与えられない。


だが、奥の手として用意はしていた。

まさか使うとは思ってもなったがあってよかったとふと感じた。


グレネードランチャーの発砲音がして少し間を置いてから、ホーネットX2の側面に命中して火を吹き出して爆発をした。


爆発音が剛山のマイクを通して私の耳に入ってきた。


ホーネットX2は爆風で揺れて横に吹き飛ぶように移動したが、無傷のようだ。

怒ったようには見えなかったが、機銃の向きが剛山のカメラに向いた。


そのあとすぐに剛山のカメラは建物の中に入ったようで暗くなった。


「行け!桜井!!!」


剛山の叫び声が聞こえたのと同時に、SU-21は勢いよく建物ないを飛び出してホーネットX2の下を潜り抜けた。機銃掃射をしながら走っていた。

弾は装甲に弾かれはしていたが、確実にホーネットX2に命中していた。


ホーネットX2のターゲットは再びUS-21に切り替わったようで、桜井を追いかける形を取った。


私はその映像を見て一息ついて次に行動の支持を出した。


「桜井!次の門を急旋回で曲がれ!奴が急旋回で方向変換させろ」


「了解」


「相楽!準備はいいな?」


「大丈夫です」


桜井が曲がり角をSU-21の持つ機動力を最大限に生かしてほぼ直角に曲がった。

予想通りホーネットX2は急減速して方向変換を行った。

対物ライフルの発砲音が私の耳に直接聞こえた後に桜井のカメラから確認できたがホーネットX2に命中したようだ。


まだ、ホーネットX2に十分なダメージを与えられてないようだ機銃だけがゆっくりと弾の飛んできた相楽の方に向いたが、桜井がSU-21に装備していたグレネードランチャーを打ち込んだ。

ホーネットX2は再び桜井にターゲットを変えたが、二発目の対物ライフルの発砲音が聞こえた瞬間。


ホーネットX2は一瞬、思考停止したかの様にその場にホバリングをしたのち、急上昇していった。


ーーこちら陸上自衛軍の航空監視室です。ホーネット2Xの自動機関装置が発動したのを確認しましたーー


そう、車内の無線機から聞こえて来た。


私はよしと思い、思わず右手でガッツポーズをした。

デイブがそんな私を見てホッとしていた。


「隊長から各員、作戦は成功だ。状況終了ーー」


私はVRグラスを取って、車の外に出た。

その時、頭上を自動帰還装置が発動したホーネットX2がほんの数秒で通り抜けて行った。


私はジタンカポラルをポケットから取り出して、口にくわえた。


「キャプテン的場。お疲れさま。barbieはいつにするよ」


タバコを咥えたのと同時にそうデイブが笑みを浮かべながら車の外に出てきた。


「そうですねー。彼らの予定に合わせましょうか」


私はそう言って、ホッと息をついてタバコに火をつけた。

煙が空に向かって上がりながら天気のいい事を忘れるぐらい集中していたことにふと考えが向かった。


ーーーー


一つ大きな現場を終えると次にやってくるのは、大量の書類仕事だ。

損害はどうだ、何発撃っただ、今回に限っては本土政府にも提出する報告書も用意しないと行けないという山盛りの書類の作成を翌日に仕上げないといけなくなった。


パソコンをカタカタと隊長室で叩きながら、オンライン回線で本局の警備部にいるデイブと打ち合わせしながら出せない情報と出せる情報を精査していた。


きっと今の私を他人が見たら見たら口から魂が抜けかけているぐらい疲れ切っているだろうと思える。


今回の作戦で我々が保有する工作機体が稼働している2機がオーバーホールして点検と必要デアあれば修理しなければならなくなっていて、予備で置いてあるひと世代前のUS-19の部品を奪って稼働機に使わないと行けない状況のもなっている。


予備機は予算不足による共食い整備を続けた結果、書類上では3機あるが動かせれるのはオンボロ1機のみという悲惨な状況だ。

今、香浜で工作機体の必要な作戦を展開するとなるとオンボロの1機に乗って対処しないと行けない状況のなっている。


これもまた、デイブが上手い具合にやりくりをしてどうにか予算が回り込んではいるのだが、なかなかいい感じで欲しい分の予算の40%としか回っていない。


私はため息をついて、口に引っかかている。魂を天に放った。


「デイブさん。ちょっと一服行ってきます」


「Okay、break にしょう」


私はそう言って、席を立ち基地内の喫煙所に向かった。

外では朝日が燦々と登っていてまぶしく感じた。


「隊長」


そう、後ろから

伊丹警部補の呼び止める声が聞こえて私は振り返った。


「あれ、今日は当番日じゃ無いんじゃない....」


私は部下のシフト表をよく見ていて、覚えてはいるつもりだったが...

しかも彼は制服ではなく、珍しくスーツを着込んでいた。


「HQ命令で今から、東京出張になってましたよ」


「もー...勘弁してよ」


私は疲れ切った、

体から全身全霊をかけてため息をついた。


東京出張の理由は色々あるだろうがきっと、昨日の事件に関する本土政府のお呼び出しのようだと感じはできた。


相楽が大きなカバンを持って仮眠室から飛び出してきた。そして彼もスーツを着ていた。


「あれ、相楽も行くの?」


「はい...なぜかはわかりませんがお願いします」


「ちょっとスーツを取りに行くから一旦家に帰らせて、空港で落ち合う形で」


私はそう言って、自分の部屋に必要な物を取りに行った。



To be continued.......

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