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香浜警察物語〜セルウス〜  作者: アーサー・リュウ
13/15

第12話:動き出した


こんにちは、的場です。

あれ、どこまでお話ししましたっけ……


まー大丈夫でしょう。どうにでもなりますよ、生きていれば。


私がずっと懸念たことが香浜で起こってしまいました。私の人生の中で忘れない体験の日を言おうと思います。


非常事態宣言が出されてから、自衛軍の展開は素早いものであっという間に香浜の郊外にまで配置が付いたようだった。情報開示の猶予となっていた72時間も残すところ12時間になっていた。


まだ、香浜政府としては煮えたぎる鍋事件の持っている情報を開示することにはおおむねいいとしているが、各種メディアがSNSの含めて非常事態宣言がされてからすべて本土政府が握っていてどうしようもできない状態が続いていた。


事実上の隔離と閉鎖をされている状態になっていた。毎日流れる情報はたわいのない動物園のニュースであったりしていた。海外へこの事件のこともうっすらと漏れ出ているようではあったが、激しい検閲状態があるようで外国人記者が街中で自衛軍か警察に拘束されているのを警察無線から聞き取れた。


私はデイブや本土警察時代のつてからの情報を精査している状態が続いていた。

ID5のシライシが香浜入りしているらしいが、現在どこにいるのか不明であることを知ったその日だった。突然嫌な知らせがテレビを通して聞こえてきたのだ。


過激派の香浜自由軍が武装した自衛軍兵士を攻撃したことを皮切りに一部でPTUと自衛軍を巻き込んだゲリラ的な戦闘が始まってしまったようだ。

SARの基地に駐屯している自衛軍の歩兵部隊にも緊張が走っていたのを私は感じ取れた。


香浜の郊外である葵城区の地下鉄の石橋駅構内で4人の自動小銃で武装したテロリストが銃を乱射して、その場にいた自衛軍兵5名と完全武装のPTU隊員10名と銃撃戦になり逃走したというニュースがテレビを通して知ることになった。


私は少し心配になり、無線でSAR全員に武装命令を出して待機させることを決めた。私もあまり普段は着ることを拒んではいたが、20Kg近くある防弾チョッキを身に着け拳銃を腰にぶら下げることにした。

敵の創作命令が出るかと思っていたが、武装したままPTUの補助として中環区の警備に駆り出されることになった。


車庫に向かうとそこには、

実戦となれば鼻息を荒くしていた待っていた剛山が行き往々と予備機であるSU-18に乗り込んで準備をしていた。相楽はL-85A2をもって、待っていた。カモフラージュ用にデイブが用意してくれたSDUのメンバーもSARの装備を持って準備を整えていた。


伊丹と反対側のシフトにいる副隊長の沖田が点呼を取っていた。

整備班も同じく出動準備を整えていた。居残りするのは自衛軍の数名と事務員のみという形になっていた。


私は乗り込み、いつも通りパトカーに乗り込み無線越しに最終確認を取った。


「任務は中環区一帯のPTUの警備の補助だ。流動的に動いて警備を行う。SU-18剛山機は極力燃費のいい運転をすること……」


「わかっております!隊長!!」


そうSU-18に乗り込んだ剛山のでかい声がスピーカーを通さないでも聞こえてきた。

私はそれを聞いて、一呼吸おいてこう付けた足した。


「実弾の使用を使用する可能性が高い。全員心して臨んでくれ……」


ーーーーーーー


中環区は官庁街と金融街がごった返した高層ビル群だ、そろそろ日が暮れて街のネオンが光り始めるとともに、我々SARのメンバーは中心部に位置を取っていた。ぽつぽつと小雨が降り始めていた。


街はいたって普通だ、そろそろ仕事終わりの時間帯になり多くの人が町の外に出ていた。その中に普段なら見かけない迷彩服の兵士とサブマシンガンを携行した武装警官がうろうろとしていた。


私はパトカーのハンドルを握りながら、周りを見渡していた。

すると、どこか見覚えのある人物を見つけて私は車を止めた。


彼もこちらに気が付いたようで、逃げるように路地の中に入り込んでいった……


「隊長どうかしましたか?」


そう相楽の無線が入ってきた。私はパトカーから手を出して何名かついてくるように無線で指示とハンドサインを送った。察しのいい相楽が、車から降りてパトカーの横に来た。


「佐伯を見つけた。追うからついてこい…」


私はそう、相楽に行ってパトカーから降りて防弾ヘルメットをかぶり逃げて行った男を追うことにした。


逃げた男は確かに昔、煮えたぎる事件で一緒にいた佐伯 秀明であった。

一連のセルウス暴走事件騒動の核心を知っているそんな勘が私に働いた……


路地に入った瞬間に嫌なことが起き始めた。私はふとバンダリの光景を思い出したーーーー


大きな爆発音と共に銃撃戦が始まったのだ。

メイン通りで戦闘が開始されたようで、剛山から無線が飛んできた。


「隊長!テロリストを発見しました!自衛軍と戦闘になっています!!」


一般市民の悲鳴と逃げ惑う足音が私の耳にも入ってきた。私は警察官としての任務を剛山に送った。


「一般人の避難を優先させろ。もし攻撃を受けそうであればテロリストを無力化しろ」


「了解!」


剛山の無線には悲鳴と銃声が響き渡っていた。


剛山ならきっと大丈夫だと私は信じながら速足で進みんでいった。

走っている途中で私はとっさに銃を構え、通り道に飛び出してきた敵意をむき出しにしたテロリストの眉間と胸部に弾丸を放った。

崩れ落ちるテロリストを横切りながら佐伯を追いかけ続けた。路地を抜けて大きな広場に出た。

すると、彼の走っていく背中が見えた。

小雨はいつしか大粒の雨に変わりびしょ濡れになりながら走り続けていた。

私は足を止めて声を張り上げた。


「止まれ!!!」


その声に反応したのか振り向きざまに、拳銃を取り出そうとしていたがその拳銃は宙を舞って何回転かして水たまりの地面に落ちた。


息を整える相楽のL85A2から放たれた弾丸が彼の拳銃を打ち抜いたようだった。


「的場!!一歩遅かったな!すでに動き出した。SU‐35二機が暴走し始める!」


息を上げそう佐伯は叫んで膝に手を置いてはあはあと息を整えた。


「これで、本当の意味で平和が来る…はぁーなんてことなんだ」


佐伯はそう言って大きく深呼吸をして、私を見つめながらこう言った。


「内乱罪でも、外患誘致罪でもどれをとっても問題ないだろ。だがな、的場!俺の仕事は終わった。あとは勝手に社会が動いてくれる」


私は首をかしげたが、頭上を低空飛行で攻撃ヘリと思われる攻ヘリ二機が通過していった。そして、装備している機関銃が火を噴いたがそのあとビル影から対空ミサイルようなものが飛んでいき、攻撃ヘリに命中して墜落した。もう一基は急浮上しその場を離脱しようとするも別方向から飛んできた対空ミサイルによって撃墜されて、大きな爆発音と爆風を伴って、ビルに追突した。

私の足元にはこまごまとなったコンクリート片と爆風の風圧で割れたガラス片が足元に散らばった。


街の騒がしさが、私たちがいる広間にも広がってきたようだった。だんだんと銃撃戦の音共にサイレンや悲鳴が耳に入り始め、焼け焦げた油の匂いに濃い硝煙の匂いを感じ取れた。

そして、耳元で銃声が鳴り私は思わず身をかがめた。


前にいた、佐伯が崩れ落ちるを私は目にした。どうやら、相楽が撃ってしまったよう……

だが、何か疑問はあった。発砲音は明らかにアサルトライフルとは違う音だったからだ。


私は、ゆっくりと後ろを振り返ると湯気を上げる拳銃を構えているシライシが立っていた。


「佐伯さん……もう、あなたの番は終わりましたので」



To be continued....


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