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香浜警察物語〜セルウス〜  作者: アーサー・リュウ
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第9話:大変革

どうも、的場です。

久々なのでどうも思い出すのが難しくは思いますが。そこのところはご勘弁下さい。


 フューチャーワールドの中に入り込んだ我々は、そのまま人がいなくなったような。ゴーストタウンと化した古いお化けでも出そうなほど不気味なアミューズメントパークの中を武装した何人かを連れて入り込んでいた。


 人の気配は感じ取れなかった。シライシは何も考えていないかのように普通に歩く。私も似たような感じだとは思うが随伴する伊丹と相楽は少しばかり警戒はしていたが、その警戒の先は銃を持っている私服警務官たちだろう。私服警務官たちはそのレンジャーか特殊部隊の引き抜きで屈強そうに見えているが、我々に意識を向けることなく、銃口を下に構えながらローレディーの姿勢で周囲を警戒していた。


雷文は元刑事だったが、工作機体に対して思い入れがあったそうでよく当時は珍しかった。補助AIを搭載したセルウスタイプの機体について興味津々でいた。何より、大学時代は帝国大学の工学部で補助AIに関する研究をしていたそうで、なぜ警察官になったのかは謎のままだった。


彼の話には補助AIの無限の可能性について説明をした。考えようによっては人間が全く働かなくなる世界もあり得ると言っていた。事実あまり実感はなかったが、本土警察時代に工作機体適性検査で不可をいただいていたが、私自身がSU-21の補助AIの性能には素人の私でも簡単に工作機体を操作できるようなるのは驚きだった。

彼はこのフューチャーワールドに大学時代に開発に関わった試作品のセルウスが置いてあることを聞いていたから、もしかするとヒントが隠れていると思い、ここに足を運んだ。


一連の補助AIを搭載した簡易セルウスも軍用のセルウスの暴走事件には何か関わりがあるように感じられた。シライシの話では極秘裏ではあるが、自衛軍内にある戦闘用セルウスが暴走したという事例が警務隊内で報告が上がっているそうだ。マスメディアには口封じをしてはいるが、どこかのタイミングで香浜のように大きな事件が外で起こった時に嫌な目を見そうだなと感じていると政府は感じているようだ。


雨は小雨で、太陽は遮られるぐらいに雲がかかっていた。昼まであるが、薄暗い世界を進んでいった。雷文が制作にかかわった。AIは名前が付いていて、ミライというらしい。アトラクションの案内をするAIで実はその仕事は副業のようなもので本来は、このアミューズメントパークのメインシステムを管理しているAIだそうだ。


サーバールームにやっとのことでたどり着いた。扉に鍵がかかっていたが、武装した警務官がカバの中から粘土のようなものを取り出してペタペタと扉に着けた。


「C4爆弾ももってるの!?」


私はそう思わず声を上げてしまった。伊丹は嫌そうな顔をしていたが、相楽は首をかしげていた。

SDUだと任務で使用するようで、使い方や用途については伊丹は分かっていたようだが、国境警備部隊出身の相楽には何の事かわかっていなかったようだ。


「ええ、自衛軍のスタイルですよ。開かない扉は吹き飛ばす」


シライシがそう言ったあと、雷管を差し込んだ警務官の一人が全員に物陰に隠れるように指示をした。

私は近くにあった、コンクリートの柱に身を隠した。


爆発音は思ったより大きくはなかったが、少しばかりドキッとする感じではあった。錠だけを爆破したようで、蹴り開ける様子を私は柱から顔を半分出して確認して、安全だと思いその警務官たちに続いて部屋の中に入った。


部屋の中はサーバールームではあったが、少し事務所のようになっていて通電はしているようで機械を冷やすためにファンの音が響き渡っていた。ソフトウェアは動いているようで、ライトが光っていた。どうやら、閉園してからもこの部屋だけは動いていたようだ。


メンテナンス用のモニターを見つけた私は、何かないかをPCの中を探してみた。

するととあるファイルの中にこの施設を管理するミライというファイルを見つけて、立ち上げることにした。すると、当時はやっていたホログラム装置が発動して、部屋の中央部に十代前半ぐらいのショートボブヘアの少女を映し出した。


「今日は何をしますか?」


彼女はそうどこかさみしそうな感じはするものの、どこか無機質さを感じる声を出して私たちに聞いてきた。私は、PCで雷文拓海と打ち込んだ。すると、彼女が説明をし始めた。


「私の親友。一緒にこのプログラムを作ってくれた人。一緒に世界をいい方向にしようとしていた人……」


一瞬間を置いた後に、少女は私の方を指さして、音声プログラムが壊れたのか低い声でこう言ってきた。


「的場巡査部長には関係のない話だ。ここを詮索するのはやめろ―――」


私は少しドキッとしたが、それだけで終わらなかった。

PC上にこの前の工作機体事件に関する画像がPC上に現れて、画面上を埋め尽くした。しかも、それは本来であれば極秘情報として香浜警察内で保管されている資料ばかりであった。


「これは、まずいですね。香浜警察の情報が漏洩しているな…」


そう、シライシは少し他人事のようになりながらも、興味深そうに私の横でPCをのぞき込んでいた。


PCの画像は次に動画を映し出した。それは香浜の街を暴走している工作機体からの画像だった、宝石店の中を暴れまわり生々しく人の悲鳴が入ってくる。香浜警察使用のSU‐21が出てきて画像が止まり、次は上空からの画像だった。追いかけながら、機銃を発射していた。その先にはやはり香浜警察使用のSU‐21が映り込んでいた。


私は息をのんで、その画像をじっくりと見て嫌な予感を感じ取った。


そして、次に映ったのは古い動画だったが、完全武装をした特殊部隊員がこちらにMP5サブマシンガンで攻撃をしている画像だった。工作機体のアームで人を蹴散らして吹き飛ばしていた。


「これは、世界をよくするために仕組まれたの」


少女はそう言うとホログラム機械が音が止まって少女が消えた。そして、シライシの電話が鳴った後、私の電話もなり始めた。

電話の相手はデイブからだった―――


「的場。大変だ……また、同じような工作機体の暴走事故が発生した。そして、煮えたぎる鍋事件の当事者である佐伯明智を名乗る人物から一連の工作機体に関する事件に関する声明が出された」


「なんだって、極秘裏にしていたものなに……」


私がそう言った後、シライシが私の肩を叩いてこう言った。


「的場警部。佐伯明智から香浜政府と日本国政府に犯行声明を出したようです……

今から72時間以内に煮えたぎる鍋事件に関する情報すべての開示と、現政府が行っている軍部の非正規暗殺活動に関する情報開示を求めてきました…」


PCの場面にこう言葉が記されているのを私は確認した。


―――すべての隠ぺいしている不法な事実を知らせるべきだ、これが正義だ。もし、開示要求をのまなければ、香浜で連続して起きたような補助AIの工作機体に組み込まれた制御システムを使って破壊活動を行う場所は、東京と香浜だ―――



私は、嫌な予感が的中してしまい。大きくため息をついた瞬間にまだ自分自身が心の中で諦めてもなくただ、目の前にやってきた事件を解決しようと防ごうと思い警官魂がそのため息を受け取って、震え上がった。


そう、これか始まった3日間は人生の中でトップクラスの思い出となってしまった、大騒動の始まりだった。



To be continued....

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