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009.おにい、五十鈴以外の娘にエッチなことしてる気がする

「アキラと相談した結果。先ほどの提案を飲むことにいたします」


 元お姫様と従者のアキラの相談が終わったようだ。

 まあ、普通は飲むしかないからな。

 ただ、その結論を出すのに時間がかかりすぎだ。


「分かった。とりあえず、2人は服を脱げ。もちろん、全部だ」


 さて、どういう反応に出るんだ?

 別に見たいとかそういうのじゃないぞ。

 気になるんで、単に反応を見たいだけだ。



 ほんとだぞ。



「な、な」


 慌てふためく元お姫様。


「分かりました」


 冷静にそう答えると、従者のアキラは、カシャン、カシャンと黙々と鎧の部分を外して、床に落としていく。


「サクラさまも、早くお脱ぎになってください。それとも、手伝いが必要ですか?」


 そう言いながら、本当に手慣れた感じで1枚1枚脱いでいる。

 そりゃあ自分の装備だ。

 脱ぐのは慣れているだろう。

 手慣れてるというのはそういうことじゃない。

 相手に見せながら、脱ぐのに手慣れているんだ。

 どうすれば、男の目に綺麗に映るかを考えて脱ぐのにな。


 俺の中の護衛のイメージとの剥離が大きくなっていく。


 2人にあったときのイメージだと、元お姫様が、あっさり脱いで、従者のアキラの方が嫌がるかと思ったら逆だった。

 今、最後の1枚が床に落ちた。

 自信があるのか、隠すような仕草はしていない。

 と言うことで、従者のアキラのつま先から、頭のてっぺんまでじっくりと瞼の奥に焼き付けていく。

 特に太ももの辺りをじっくりと鑑賞する。

 なんで、こんな女が護衛なんかやっているんだ?


「サクラさま、どうされますか?」


 俺が見ていることなど気にせずに元お姫様に声をかける従者。

 元お姫様は、ギュッと緋袴を握り締めて考えているようだ。


「み、見せるのは構いません。ただ、アナタは妾たちを買えるだけのお金をお持ちなんですか? 見せるだけ見せて、見せ損なんてことはないですわよね」


「損得勘定を考えないといけないのはアンタの裸を見せる見せないじゃない。元お姫様の従者の命を握ってる相手の言うことが聞けるかどうかだ。元お姫様の裸と従者の命、どっちが大切なんだ?」


「くっ」


 元お姫様は緋袴を脱ぎ始めた。

 従者のためにそこまでしてやるか。

 そもそも、従者のアキラのせいで奴隷落ちまでしてるんだろ?


「せ、せめて、そちらの奴隷商人の方は、妾の方を見ないでください…………」


 緋袴を畳ながら、元お姫様はいじらしくそう願った。

 クロさんを見ると、『仕方ないですね』と回れ右で後ろを向いた。

 元お姫様は『ありがとう』と折り畳んだ緋袴を抱きながら軽く頭を下げた。

 従者のアキラは、元お姫様の脱ぎっぷりを凝視していた。


 元お姫様が、最後の1枚を脱ぎ終わった後、俺はしゃがみ込んで、元お姫様の太ももの辺りをチェックしようとした。


「隠すな」


 従者とやっぱり肉付きが違うな。

 元お姫様より、従者の方が特徴がある。


「くっ……これで、満足か!」


 元お姫様は、手を後ろで組んだ。

 そして、元お姫様の白い裸体が全て露わになった。

 色々と突っ込みどころ満載の2人の姿。

 それぞれ、上に1つ、下に2つ、計6……そうじゃない。


 そうじゃないから、俺の相棒も徳田新之助のように大人しくしている。

 ごめん、劇終盤の吉宗状態だった。

 もう『余の顔を見忘れたか!』って言って、平伏が終わって、殺陣に入る直前だ。

 でも、違うんだ。

 本当にそう言うのが目的じゃないんだ。


 気になった元お姫様の胸をジッと見る。

 ライバル道場の跡取り息子が半日かけて良いところを褒め讃えるような胸だ。

 いや、ごめん、それでもない。

 見てるのは、胸にある桜の痣だ。

 これ……確か重要なモノをしまうための封印だったな。

 分家である真技(まぎ)家の賢者の石と言われている(あおい)に実演して貰ったことがある。

 真っ赤になりながら、(あおい)にそっくりで影武者役までやってる真技(まぎ)賢人(けんと)のヤツが封印を解いてたな。

 もちろん、血縁的には五十鈴の妹の(あおい)も真っ赤になってたさ。

 さすがに桜の痣はここまで胸の頂上付近では無かったがな。



 この封印は簡易的なアイテム袋と同じだ。

 違うのは死んだ後に中のアイテムが出るか出ないかの違いはある。

 もちろん、この封印は出ない方だ。


 これで、俺的には、謎が全て解けたぜ。

 間違ってないと思うが、答えが出てから、答え合わせだ。


 【インダス】で透け透けのベビードールを2着出して2人に渡してやる。

 1着は無駄になりそうだけどな。


「とりあえず、これを着ておけ」


 元お姫様と従者の2人の関係。

 桜の痣の封印。

 気になるには色々あるが本当の2人の関係が分かれば些細なことだ。


 元お姫様にベビードールを渡す時に、従者に聞こえないように囁いた。


「(その桜の痣の封印、玉璽(ぎょくじ)だろ)」


 俺の囁きに、元お姫様は、驚いた表情を見せた。



 桜の痣を見たときいやらしい表情をした従者のアキラが元お姫様の敵であると考えると、全てのピースが埋まるんだ。


真技(まぎ)賢人(けんと)あおい

2話分のストックがある「異世界で妹といけない関係シリーズ」第2弾の兄妹。


第2弾の1話の冒頭は活動報告の方に

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