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004.おにい、五十鈴、おにいの奴隷でもいいよ

『借りて借りて借りて踏み倒す異世界逃走記!?』連載中

「奴隷を買います」


 転生サービスで貰った亜空間ハウス(レベル3)のガンガンに冷房の効いている和室の暖かいコタツに入りながらで真横にいる五十鈴に宣言した。

 兄妹でコタツの1辺に2人入るのはどうかと思うが仕方がない。


「おにい、奴隷なら、五十鈴がなります」


 立ち上がった五十鈴は一瞬にして、SMチックなチェーン&首輪付きのボンデージ姿になった。

 ウェアラブルディスプレイのメニューの装備を使えば、こんな感じで着替えることが出来る。

 ちなみに隠すとこはギリギリ隠せてないデザインのエナメルチックで真っ黒なボンデージだ。


 五十鈴って、下、生えていないんだ。




 しょうがないだろ!

 五十鈴は真横に立ってるから、ちょうど目の前にあるんだよ。


「おにい、五十鈴を好きにして良いよ」


 そう耳元でゾクゾクするように囁き、俺にチェーンを握らせようとする五十鈴。

 今度は、屈み込んで出来た胸元の隙間から、綺麗なピンクのプックリしたモノが…………。

 え?

 なに?

 これ計算してやってないよね?







 思わず『はい』って答えるとこだったじゃん。

 俺の理性グッジョブ。


「ちょ、五十鈴。また、【インダス】で変なモン取り寄せてー」


 【インダス】は、転生サービスで貰ったモノで、元いた世界の同名の通販ショップ最大手が扱っている商品をお取り寄せできるスキルだ。

 交換レートが金貨1枚が100円というぼったくりなので、余程のことが無い限り使っていない。

 100円の商品が1万円になるんだぜ。

 そんなに簡単に使えるかよ。

 って、お金は腐るほどあるから貧乏性なだけなんだけどな。


「変なモンじゃないよー。おにいが、この衣装、好きだと思ったんだもん」


 確かに微塵も欠片もこれっぽっちも嫌いじゃないが、その表情、なんでも許しちゃいそうだ。


「…………そんなこと、ノーコメントでお願いします」


 この答えが、もう答えなんだけどな。


「おにい、これ似合ってない?」


 ウルウルした眼で見つめてくる五十鈴。


「…………似合ってるよ」


 今後のことを考えれば、そう答えるしかないだろ?

 どういう今後か分かんないけど…………。


「おにい、この格好好き?」


「…………ノーコメントでお願いします」


 嫌いって答えたら、奴隷を買ったときに着せれないだろ?


「おにいのいけずー」


「いけずでいいです。真面目な話です。まず、五十鈴は、いつもの服に着替えなさい」


「はーい」


 そう言って、五十鈴は、いつもの【インダス】でお取り寄せしたジャージに着替えた。

 色気の欠片もないジャージ姿の五十鈴、まだ、子供だよな。


「えっと、奴隷を買います」


「おにい、奴隷なら、五十鈴がなります」


 ループしそうだったので、ジロッと、五十鈴を睨む。


「おにい、ごめんなさい」


 正座して、頭を下げる五十鈴。


「ああ、で、ダンジョンに挑みたいので、奴隷を買って、回復担当の後衛用のメンバーとして、育てます」


「おにいも、五十鈴も白魔法使えるよね?」


「じゃあ、五十鈴が回復担当するか? 俺はイヤだぞ」


 俺の方が攻撃力は高いからな。

 オーバーキルって話もあるが…………。


「五十鈴もイヤ」


 キッパリ答えるバトルジャンキーな五十鈴さん。


「そう言う理由と、後は、この惨状だ」


 汚部屋を見回す。

 俗に言うゴミ屋敷一歩手前だ。

 コタツの1辺と俺と五十鈴のベッドしか横になれるとこがない。


「五十鈴、こっちの世界に来てから、掃除したか? 洗濯したか? 料理したか? 俺はしてないぞ」


 ちっちゃい身体がさらにちっちゃくなる。


「家事はメイドさんがしてくれるって、五十鈴は、育てられたし、家事したら負けかなって。お母さんもしてなかったし」


 うちの家系は本家、分家ともにこんなモンだ。

 俺が特別なくらいだ。


「と言うことだ。家事スキルの高い奴隷を買ってこの亜空間ハウスのベッドとコタツの周辺以外に寝転べる場所を作って貰おう」


 オーバーアクションで今後の夢を語る。

 実際は、玄関のダストシュートにゴミを仕分けしないで放り込むだけの簡単なお仕事なんだけどな。


「分かったよ。おにい」


 ちょろいよ五十鈴さん。

 1年間家事をするのを我慢したかいがあったぜ。



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