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転職のススメ

「兄貴…また"人助け"したなこの野郎!」

「兄ちゃんだって家の家訓は覚えてるよね?」

「"一日一悪、良い事したらその数倍悪いことをせよ"。なんだけど?」

「……分かってるよぉ。だからバアさんの荷物を運んだ分、仕事中の男にタンスやら何やら重そうな家具を無駄に運ばせてやったんじゃん」

「兄ちゃん…それ見てたよ。アレ、引越し屋。手伝って貰ったって男にスッゴい感謝されてたし」

「はぁ!?兄貴、それってただのお手伝いじゃんか」

「一悪してよ一悪。これじゃ先代が泣いてるって」

「う゛、でもな…そんなこと言われても…」

「兄貴このままだとヒーロー側から引き抜かれるぞ?」

「そしたら勘当するからね?」

「え…。それは、嫌だ……うぅ、」

「ちょっ、兄貴!?」

「大丈夫だから!泣かないでよっ」

「泣く暇あったら泣かせて来い。な?」

「………うん…頑張って来る」

「行ってらー」

「健闘を祈ってるね」






「で?」

「…………」

「女の子の木に引っ掛かった風船を取ってあげたんだって?」

「せめて渡す瞬間に手を離しなよ。天高く舞い上がる風船にさよならさせよ?」

「しかも現金が詰まったアタッシュケースをヒーロー本部に届けたらしいな」

「持って帰って来てよ大黒柱。家の収入結構キツいんだから」

「その後拾った一万も交番に届けたんだよな?」

「………ヒーロー本部は遠かったから最寄りに…」

「「充分だよ!!」」

「寧ろ一般人でも猫ババを考えられる額だよな!?」

「アタッシュケースよりお気軽だよ!?」

「だってさぁ、困ってる人が居るかも知んないじゃん…」

「「真面目!」」

「我が家からしたら超不真面目!ド不良!」

「だから家は貧乏なんだよ。その一万だってアタッシュケースから落ちた一枚だよ。きっと」

「困るどころか気付かねぇよ」

「でも………」

「「頼むからもう何も言わないで…!」」






その後。


「あれ…」

「どうしたの兄ちゃん」

「俺の一万無い…」

「それって今頃交番じゃ…」

「取って来るねぇ」

「おう。行ってらー」

「お巡りさんの二度手間よくやった」



end

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