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第54話 セリス来襲

51話と53話でリュイと書くところをウェイと間違って書いておりました。申し訳ありません。

「セリスじゃないか?!体が弱いのにこんな辺境まで来てくれたのか?」


「はい、レオ様に会いたい一心で」


体が弱い?!護衛達を振り切り先程目の前で補佐官のアデーレが吹き飛ばされたのに?!レオには何も見えてなかった様に会話を続ける。


「セリスには、苦労を掛けたね。上が無能なばかりにセリスに責任を押し付ける形になって。混合魔法の研究は上手く行ったのかい?」


セリスに立場を奪われたのでは無く上が不当な評価を下して左遷されたと思っているのか?


思わず鑑定したセリスのステータス


HP2400

MP27600

属性 水 土

称号 筆頭魔導師の孫 タイガースレイヤー 大魔導師 水魔法を極めし者 混合魔法を極めし者 レオの恋人(自称)レオの婚約者(自称) レオの妻(自称) レオに全てを捧げし者 次期筆頭魔導師 死神


メチャクチャ強い。詳しい事情は分からないが適正な判断の下レオは左遷された様に思える。ステータス的に……。


そこではない?!!レオ逃げろ!!逃げて!!!ステータスが病んでる?!レオに関するものが多すぎて怖い!!そして死神?!!


どこから突っ込んでいいのか分からないステータスだ。レオは彼女の気持ちに気付いていないのか?何故レオなんかに全てを捧げているのか?どう考えてもレオによって来た女達を葬ったんじゃないのか?!


二人は混合魔法の話で盛り上がっているがそれどころではない!久しぶりにアワアワしているとレオが気付いて


「アル君は初めて会いますよね。私の幼馴染のセリスです。混合魔法の開発は彼女としたんですよ。実に優秀な助手でした。暫くこちらにいるようなので仲良くしてあげて下さいね」


セリスを実に誇らしげに紹介するレオ。暫くではなく、永遠にいると思うぞ。よく三年も放置できたものだ……。


後ろではリュイが必死で指示を飛ばしアデーレを治療させたり、廊下で死屍累々となった護衛達を病院へ搬送するよう指示を出している。それに気付いたセリスが、


「すみません。少し周りの方にケガをさせてしまったようですね」


おしとやかに謝ってくる。白目を向いてピクピクしている状態の事を少しのケガというかどうかは知らないが。セリスが魔法を展開する。トドメを刺す気か?!


セリスが魔法を展開すると怪我をしていた者はたちまち回復し元気になった。アデーレも服はボロボロだが目を覚ました。


「セリスの回復魔法はやっぱりすごいね。私もこの回復魔法に助けられたからね。そうだ!セリスには私の護衛兼補佐官になって貰おう!」


レオがとんでもない事を言い出した。個人的にはその護衛からは全力で逃げるべきだと思うぞ。多分逃げきれないけど。


「筆頭魔導師の孫のセリス様が護衛につくのは非常に心強いのですが、公国側にこちらの情報が筒抜けになってしまいますが宜しいのですか?」


工作員のリュイが言うのはどうかと思うが尤もだ。


「魔導師学校の時もそうだったが基本的に一緒にいるからその心配はないだろう。それでいいかセリス?」


「はい」と嬉しそうに頷くセリス。リュイも呆れた顔でそれ以上何も言わなかった。


レオ本当はワザとやってないか?



☆★☆


騒ぎがあった後、少し遅れて公国の使いに会う事になった。例のグラディウス家の屋敷の謁見の間を使う。


「大変お待たせしました使者殿。ご存知とは思いますが新しく執政官になったレオです」


謁見の間の玉座にあたる席に座りそう言い放つレオ。ちなみに両側にはリュイとセリスが、そして玉座の後ろはレオがお土産に買ったゴブリンのお面をつけて自分が控える。


使者の代表と思われる人の他に10人以上の人が贈り物と思わしき物を手にし後ろに並んでいる。


「お初にお目に掛かります。レオ様。この度は執政官への就任おめでとうございます。ゲーリック公国王も新時代の幕開けと喜んでおります。こちらが公国王からの書簡と就任祝いの目録でございます」


おずおずと使者はレオに書簡を渡そうとする。セリスがふんだくってレオに渡した。使者は心底嫌そうな顔をしていた。


「自治権の継続と執政官の承認を無条件でして頂けるとは有り難うございます。執政官就任の手紙をお出ししたのも2日前なのですが、さすがに公国。対応が素早い。まるで事前に知っていたみたいじゃないですか」


そうレオが言うと使者は、


「公国王は北の大砦について特に興味をもっておられますので、公国の安定に北の大砦の力は必要不可欠のものですから」


平然と答える。これぐらいは想定の範囲内らしい。


「就任祝いに金貨20000枚とは豪勢ですな〜。グラディウス家の私財も金貨20000枚分でしたがグラディウス家から差し押さえした分は、公国にお返しした方がよろしいでしょうか?」


リュイが横から口を挟んでくる。


「公国に返すとは異な事をおっしゃいますな。北の大砦は公国です。グラディウス家が不正に蓄えていた私財も北の大砦の安定に使って頂くのが一番とゲーリック王も考えております。公都への返還などは一切考える必要はありません」


北の大砦の当面の運営資金として金貨40000枚か。


「北の大砦の自治に関して公国が口に挟むことは何もありません。レオ執政官のお心のままに。ただ気になりますのは、セリス宮廷魔導師はなぜこちらに?筆頭魔導師からは私何も伺っておりませんが」


セリスを睨みながら使者は告げる。目がお前はこっち側だろと言っている。


「セリスは本日付で護衛兼補佐官として北の大砦で働いてくれる事になった。筆頭魔導師には宜しく伝えてくれ。もちろんゲーリック王にも」


使者は初めて動揺する。まぁ公国の切り札だろうし気持ちは分かる。


「わっわかりました。確かにそのようにお伝えします。北の大砦は安泰であると」


声を震わせながらそう言って下がる使者。


謁見の間に残された宝の山を見てレオが


「ヒャッホーー!!!レオ王朝始まりだ〜!!!」


と騒ぎ出す。


「レオ王。是非私を宰相に。レオ王は玉座でゆっくりお寛ぎを」


リュイが欲望を垂れ流して提案してくる。絶対乗っ取る気だろ?!!


「わ、私は王妃ですね。けどメイドがレオ様のお世話をするのは許せない。メイド兼王妃ですわね……」


セリスがなにやら呟いている。あなたは好きにして!!!


金貨はアデーレ補佐官が預かりました。

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