第47話 ギルド登録とシステム
「黒髪?!そうか、三年前に隔離された王子様か!」
そう言って迎えてくれたのはベルナルドを若くしたような筋肉隆々の30代の大男だ。一目でベルナルドの息子と分かったがストレートな物言いに少し憮然としてしまう。事実だが。
「おっ気分を害したなら謝る!そんな顔をさせる気はなかったんだ」
そんなに顔に出したつもりはなかったが謝ってくれた。いい人だ。
「はじめまして、アルフレッドです。ベルナルドとエマにはお世話になっています。こちらにいるのがレオとエルフの姫のメイです」
気を取り直して挨拶をする。挨拶は大切だ。
「おお!いま街で話題の姫君と新魔法の開発者の宮廷魔導師様か!王子様といい豪勢な顔触れだな。街を壊しにでも来たのか?」
物騒な事をいう。なんか周りにちょくちょく物騒な考えの人がいる。そしてこの人もさり気なくレオを知っている。なぜトラウマ持ちなんだレオ?!有名人じゃないか。
微妙にご機嫌になって鼻の穴を大きくしているレオをみる。
「我々の目的は破壊ではありませんよ。この北の大砦の支配です。どうです貴方も此方に付きませんか?」
なんかレオが言い出した?!話をややこしくするな!まだレオ王国を引きずってやがるのか!グレンも「グヌゥ」とか言って考え込んでるし。
この状況、考えようによっては恨みを持ったエルフの姫君が自分達に復讐を依頼したように見える。おまけにグレンは事前にエマから自分の経緯の事も聞いていたのだろうから尚更だ。
話がこれ以上ややこしくなる前に訂正する。
「破壊も支配も求めてません。ただメイの姉を助けたいだけです」
そう言ってエマからの手紙を手渡した。
手紙を受け取ったグレンはニヤリと笑い。
「なるほど、では先ずギルドの登録と行こうか。姫君の姉を救い出すにしても、街の大掃除にしてもそれが手っ取り早い」
あれ?!物騒なままなのが気になるが、この街の執政官の息子を掃除するのには変わりないか。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「では、グレン様が保証人になって頂けるとのことなので登録させて頂きます。ギルドのシステムは説明致しますか?」
グレンが一緒に来てくれたらすんなり登録になった。さすがS級冒険者だ。しかも受付嬢曰く街の最大のレギオンのリーダーと言う事だ。エマとベルナルドの一族恐るべし。エマベル一族でいいか。
受付嬢はもちろん胸の一番大きな娘だ。
「ギルドランクはGからSまであります。Gが初心者になります。アル様はGからになります。ギルドポイントを貯める事によって次のランクに上がる事ができますが、ポイントによって上がる事が出来るのはBランクまでになります。Aランクになる為には、Aランク以上の魔物を狩って来て頂く必要があります。逆に言えばポイントが一切なくてもAランク以上の魔物を仕留めていただければAランクです。更にSランクになるには、街への貢献が必要になります。後進の冒険者の育成や街への寄付金などが主な功績として認められます」
ランクアップに必要なポイントも説明してくれた。
Gランク
街の清掃や店のお手伝いが中心。依頼達成で一律1ポイント。10ポイントでFランク
Fランク
街周辺での薬草取り街での力仕事が中心。依頼達成で10〜30ポイント。1000ポイントでEランク
Eランク
街周辺で小物の魔物討伐。依頼達成で100〜200ポイント。10000ポイントでDランク
Dランク
魔境にてゴブリンやウルフなどの討伐。依頼達成 1000〜5000ポイント。10万ポイントでCランク
Cランク
魔境にてオークやビッグボアなどの討伐。依頼達成10000〜20000ポイント。100万ポイントでBランク
Bランク
魔境にてサーベルタイガーなど高位の魔物を倒すのが目標となる。フォレストタイガーの加算ポイント100万ポイント。1億ポイントで額は少ないが生涯年金(月金貨1枚)がでる。
Aランク
Aランク以上魔物であるサーベルタイガーやキングバッファローなどを倒した者に与えられる。加算ポイントAランクの魔物で1500万〜3000万。もちろん1億ポイントで生涯年金がでる。さらに北の大砦内であれば住居保証がされる。
Sランク
Aランクの人間が後進の育成や街に対して多額の寄付金をした場合になれる。個人ギルドであるレギオンを形成できる。北の大砦の内であれば発言権を持った有力者と見做される。
EランクでもDランクやCランクの依頼を自己責任において受ける事ができる。ただ自己ランク以上の依頼を受けて失敗した場合は違約金を取られるため推奨はされない。
色々教えて貰ったが直ぐにAランクになれる事以外は余り頭に入らなかった。
折角なのでメイも一緒に登録する。レオは意外な事にBランクの冒険者だった。10歳の時に親に無理矢理連れて来られて登録したらしい。軽くゴブリン退治する予定だったのに、運悪くフォレストタイガーに遭遇、死にかけたが何とか倒し最年少Bランク保持者になったとの事。
癪に触るがチョイチョイ凄いなレオ。しかし今日で最年少記録は破られる!
冒険者のライセンスを受け取り、買取りカウンターへ
「買取りお願いしたいのですが、広い場所はありますか?」
買取りカウンターの30代ぐらいのギルド職員の女性がなに言ってんだと言わんばかりの目でみてくる。グレンの姿を見て渋々と言った感じでギルド裏の魔物の保存倉庫に連れていかれる。
「さぁ、どうぞお出し下さい」
かなりぶっきらぼうに言ってくる。すこしイラッとしたのでキングバッファロー10頭とグレイトグリズリー1頭を出す。
目を見開くギルド職員
「これはキングバッファローに、この熊はグレイトグリズリー?!30年前に一度ベルナルド様が仕留めた以来、誰も倒してないはず」
ベルナルドはやっぱりすごいなぁと思っていると
「これは私では判断が付きかねます。少々お待ちください!ギルドマスター!!」
テンプレ来た〜〜〜!!!