第34話 戦力比
乱入してきたゴミを強制的に排除して話を続ける。
「依頼はお受けします。詳細を教えてもらいますか?」
なにもなかった事にして話を進める。
「はい、斥候からの報告によりますと、総勢で約2万。こちらの戦力は兵士1000、精鋭魔法部隊100、魔法部隊200。後街で総動員をかけて動ける女子供までいれれば後3000。後方で動いて貰う分にはいいですが前線になどとても送ることは出来ません」
実質1300対20000か。かなり分が悪いな。総動員かけて4300対20000。街に立派な城壁がある事を考えれば勝てるのか?
「精鋭魔法部隊と魔法部隊の違いはどこにあるのですか?」
「失念しておりました。我々もオーク共も基本土属性です。精鋭魔法部隊は火属性や風属性の部隊。魔法部隊は土属性の部隊。我々コブリンは土、風、火の三つしか使えません。土属性しか使えない魔法部隊ではオークには対抗できないのです」
つまり今回の戦闘での切り札が精鋭魔法部隊なのか。魔法部隊は堀を深くしたり、壁の補強でもしてるのかな。
ベルナルドが丸太の壁の周りに土魔法で堀と土塀を一気に完成させたのを思い出す。丸太の壁が要らなかったじゃないかとレオと共に涙したのはいい思い出だ。
「今までもオークの異常発生はあったのですか?」
「これだけの規模私は初めてですな。通常は多くて5000程度。今回は周辺のオークを纏めあげております。間違いなくキングオークがおりますな。奴らはキングオークがいるとより凶暴性が増すのです。前回のキングオークの記録はアルフレッド様のご先祖のクロノア様まで遡りかますな」
やっぱり初代様もテンプレをこなしていたか。5000ならゴブリンだけでもいけるのと。話を聞くとキングオークさえ倒せば群れは瓦解しようだな。と言うと
「かなり慎重な性格のようです。斥候にもキングオークの居場所を探させているのですが今の所見つかっていません」
楽は出来ないか。しかし壁の上から魔法を打ち続ければいいのだから楽な依頼かな。
「では、私と先程のゴミ……ではなかったレオは攻撃魔法を使えますので、精鋭魔法部隊と協力して壁の上からオークを倒していく方向でよいですか」
念の為確認するとゴブリンの長ギースは顔を曇らせる。
「それが本来の戦い方にはなるのですが、街の周りには収穫前の田んぼがあります」
街に入る前にみた見事な田園風景を思い出す。確かにあれだけの田んぼが壊滅したら冬を越すのは難しいだろう。
「そこで街から1キロ北の地点に最終防衛ラインを構築しております。そこで我らの兵士と共に戦って頂きたいのです」
今更断るとも言えない。
「わかりました。全力を尽くしましょう」
ギースは手を取り頭を下げてくる。
「ありがとうございます!是非黒髪の悪魔と言われるその手腕でブラックオーク共を殲滅して下され!!」
え?!黒髪の悪魔?ゴブリン達にはそう呼ばれてるの?!
ちょっとカッコいいかも。
厨二精神が刺激されました。
次回 右腕が疼く!お楽しみに!!
嘘です。すみません。