第23話 エマの憂鬱 その2
もう一話エマ視点です。
レオ=グリセラ経歴書
キラ帝国からの亡命貴族グリセラ家の長男として誕生。
五歳の時に鑑定石によるステータス鑑定によりMP5200を記録。麒麟児として名をはせる。
翌年帝国貴族による相互扶助組織(通称 帝国亡命政府)の補助を受け取り公国幼年学校に入学
12歳 幼年学校主席卒業
同年 中等魔導士学校入学
15歳 中等魔導士学校主席卒業
同年魔導士大学入学
16歳 『無属性魔法の有用性』を発表
17歳 二属性の魔法を混ぜ合わせる『混合魔法』を開発。自身が初の使い手となる。
18歳 魔導士大学主席卒業
同年宮廷魔導士となり混合魔法を開発するための第八研究所の立ち上げに携わる。
19歳 魔力総量の少なさと人間関係の不和により無属性研究の第七研究所に転属。
20歳 自身が発表した『無属性魔法の有用性』を実用レベルにした功績により第七研究所 所長代理となる。所長代理就任最短記録となる。
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「立派な経歴だと思うのですが……」
続く筆頭魔導士からの手紙を見て溜息をつく。
魔力総量に伸び悩みがあるもの極めて優秀。ただ他人の話聞かない傲慢不遜なところあり。自己評価肥大傾向あり。
魔導士の戦力を多大に向上させる混合魔法を開発したことにより、政争の具に成りつつあり。
一定の地位に引き上げたものの、後ろ盾が帝国亡命政府しかなくあまりに立場は脆弱。
隣国からも命を狙われる可能性が増大しており今回の教育係に任命したとの事。
今回の事について詳細は話してないゆえ私はたぶん恨まれるであろう事。
そして最後に、時が経ちレオを認めてくれるならエマとベルナルドにも後ろ盾になって欲しいと書かれ手紙が締められていた。
「愛されてますねぇ。周りに迷惑をかけるのは若者の特権。若者の行く末を見守るのは年寄りの責任ですからね。面倒見るのが1人から2人になっても手間は変わりません」
そう言って手紙をしまいベルに今後の相談にいくのでした。