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第22話 エマの憂鬱

エマ視点です。

皆様はじめまして。エマでございます。

現在リリィ様のご子息アルフレッド様のお世話係として旦那とともに離宮にて勤めさせて頂いております。


公国のお偉様方の思惑によってこんな人里離れた場所に隔離されてしまうとはおいたわしい。


当初はアルフレッド様お一人だけを転移させる予定だったとか。五歳児に対する大人の対応ではありませんね。


さすがにリリィ様の猛反対を始めラクトニア宰相の思惑も働いて離宮にて魔力の制御を覚えさせるという形に落ち着きました。


それでもリリィ様は最後まで手元にて育てる事にこだわっていました。可愛い盛りの我が子を辺境では言葉が足りない世の果てに送りだすのです。私も三人の子供を育てた母として身の千切られる思いは分かります。


それにアルフレッド様はリリィ様が急に産気づいたため私が産婆役として取り上げた子供です。そのあとも後宮のメイド長としてアルフレッド様のお世話をさせて頂きました。私にとって孫同然の存在です。離宮にての世話係と聞いて真っ先に手を上げました。


リリィ様の許可をとった後、すぐに旦那のベルに話をして一緒に来て欲しい旨を頼んだところ二つ返事で了解が取れました。さすが私の旦那様です。


すぐに準備をして王宮に入りアルフレッド様の教育係を待っている時になってベルが離宮に行くことにブルーシュ軍務卿が反対し始めました。


「公国の守護者と呼ばれたベルナルド大将軍が公都を遠く離れた離宮にいくのは、国力の低下を招き他国から侮られかねない……」


要約するとこのような事を言ってました。まぁベルが


「分かった!!儂が公国を守ってやるから代わりに離宮に行ってくれ!!」


と一喝すると黙りました。


その後宮廷魔導士レオ グリセラがやって来ました。筆頭魔導士のクルエラから宜しく頼むと言ってレオ グリセラの資料を渡される。


資料を渡されなくてもレオ グリセラは有名人なので知ってます。次世代の国防を担う混合魔法の開発者にして無属性魔法を研究する第七研究所の所長代理。まだ二十歳。魔導士学校卒業してわずか二年の所長代理就任最短記録。


まぁ混合魔法の開発者以外のところは後宮のメイド達の噂話を耳に挟んだだけなのですが。昔就いてた職業の癖で他人の噂話に聞き耳を立ててしまうのですよね。あまり褒められた事じゃないのですが昔の癖を直すのは年を取る毎に難しくなります。


噂でしか聞いたことなかったので随分優秀な人材を手放す物だと感心しました。


最後にリリィ様よりアルフレッド様を受け取り転移陣へ入り当面の食料や資材などと共に離宮へ。



転移当日の事を思い出しながら今の状況を鑑みます。目の前には正座をしている、アルフレッド様とレオ グリセラ。


魔法の授業の最中にアルフレッド様が魔力の制御しきれず屋敷の外に魔法を撃つ。それは別にいいのです。その可能性を含めてこんな世界の果てまでやって来たのですから。


問題は教え方です。まだ二日目の授業だというのに大魔導士の試験レベルを行うとは……。


心配したやら、呆れたやらで勢い余って二時間も説教し、当面魔力の制御を中心として大規模魔法を使わない事を約束させました。


罰として二人で先ほどの現場を片付けるように伝えました。レオ グリセラが最初渋っていましたので優しく説得したらキチンと二人で行ってくれました。


一応安全ため少し離れたところからベルと二人で見守っていたのは秘密です。

ベルはベルナルドの事です。念の為。

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