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第20話 レオ先生の授業 その3

「我々の敵を皆殺しにするには、防御だけではなく攻撃もできなければなりません!!」


レオの中ではどうやら俺が皆殺しの役に決定のようだ。実の父親も含まれるのだが。


「とはいえ、聖魔法の攻撃魔法については謎が多いのです。初代様に魔法を教えたとされる大魔導士ランギルの回想録によると身体強化の方法。防御魔法であるシールド、アーマー。放出魔法であるボール、アロー、ランスを教えた後は勝手に魔法を開発したとありますから」


ちなみに例の絵本でも無数のホーリーランスを敵に飛ばすシーンが描かれている。


あと公国内でよく読まれている初代様世界漫遊記と言うのがある。初代様が世界を旅しながら伝説の大精霊に出会ったり、その地域に巣食う悪領主を倒したりする。ガリバー旅行記と水戸黄門を足したような物語だ。悪領主を脅すのに山を吹き飛ばすのは定番のシーンだ。火龍の住み着いた山を一撃で消滅させるシーンもある。

初代様公国漫遊記については公国としては全否定している。他国の領主を勝手にこらしめたり、他人の土地である山を消滅させたりそんな非常識な事をするはずがないと。


話がそれたが、それだけ聖魔法については謎が多い。初代様が書いた日記や書物は王宮の禁術庫に保管され立ち入り禁止なっている。初代様に関わった人達の記述から聖魔法を読み解いていくしかない訳だ。わずかなヒントから曲がりなりにも聖魔法を教えてくれるレオは十分優秀だ。


元の話に戻り、レオは続ける。


「逆に言えば、身体強化、シールド、アーマー、ボール、アロー、ランスこれらを身につければ他の魔法を作れる下地ができる筈です」


攻撃魔法を練習するために庭に移動する。


「では最初はホーリーボールから始めましょう。自分の体の前に魔力を集めるイメージを作りホーリーボールと唱えて下さい。身体強化やシールドと違って体の外に魔力を放出するので切り離しが難しいかもしれませんが気長にやりましょう」


レオに言われた通り魔力を体の前に集めてホーリーボールと唱える。すると自分の前に直径30㎝ほどの黄金の球体ができる。


「初めてで成功?!普通は1年はかかりますよ。私ですら半年なのに」


なぜか動揺するレオ。その後のホーリーアロー、ホーリーランスともに一回で成功する。


「普通はここまでで五年は必要なんですけどね」


少し顔色が悪いレオ。しかし教師の意地からか続ける。


「しかしこれができなければ一人前とは言えません!ファイヤーランス!!」


ファイヤーランスを発動させ徐々に本数を増やす。百本ぐらいになったところでドヤ顔でこちらを見てくる。


「ランス系の多重発動です。これができれば大魔導士を名乗ってもいいですよ」


そういってファイヤーランスを消す。顔に汗をかき、顔色が真っ青になっている。肩で息をしているのが痛々しい。プライドを傷つけたかな。


目をつむりホーリーランスと唱える。あまり数を増やして臍を曲げられても困る。10本ほどにし、魔力を込める。


「ちょっ、ちょっと!!なにをしてるんですか!!」


レオの焦った声を聞いて目を開ける。

長さ10m 直径1mほどの大きな丸太のようなホーリーランスが10本あった。


「は、早く消してください。屋敷を消し去る気でしすか?!」


レオにそう言われて消そうとするが魔力を込め過ぎたせいか消えない。ヤバイと思いレオを見て首を横に振る。


「ひょっとして消せないんですか?!とりあえず屋敷の外に飛ばしてください!!」


そう言われてレオが指指した方に丸太と化したホーリーランスを発射する。


10キロぐらい先だろうか着弾し大きな音が響き渡る。


安堵のため息を吐いていると着弾した方向から『ドドドドドッ!』と大きな地響きが響き渡る。慌てて壁によじ登り音の方向を確認する。


「キングバッファローの群れがこちらに向かって来てます!!アル君迎撃を!!」


当然のようにお鉢を廻してくるレオ。


「レオ先生がやればいいじゃないですか?!大魔導士ですよね」


一応反論してみる。


「私はさっきので魔力を使い果たしました。群れは500は超えてます。そもそも私では無理です!!」


言い切るレオ。屋敷には魔物除けの結界があるとは言えあれだけの群れが突っ込んで来たらどうなるか分からない。


ホーリーランスと唱え1000本ほどに増やし群れに向かい発射する。


『ドッゴーーーーーーン!!!!』


大きな音が響き渡り地響きが消える。静寂が戻る。

レオは青ざめた顔をしてこちらを見ながら一言。


「公都落とせますよ」


なにをさせる気だ!この人!!


あとから二人ともエマにたっぷり怒られました。

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