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第2話 黒髪の理由


「…というわけなんだ」


なるほどそういうことか。

黒い髪は強い魔力の象徴らしい。

顔を強張らしたのは決して妻の不貞を疑った訳ではないと父親は母親に必死に説明している。


あのタイミングで固まったらそりゃ疑われたと思う。父親しっかり反省しろ。


「これでクロノワ公国も安泰だ。リリィよくやってくれた」


必死に話を逸らそうとしている父親。母親もため息をついて


「そうねぇ。未来の筆頭魔導師様ね。きっと次期王様のレイモンドを支えてくれるわ」


リリィは追求はやめて子どもの未来について話し合う。実に健全だ。さっきまでの張り詰めた空気が和らいでいく。


二人の話を聞く限り結構身分の高い家に産まれたようだ。次期王様を呼び捨てにしてるし。


「レイモンドの時代じゃなくて俺が現役の時にも頑張ってもらうぞ。まだまだ引退する気はないぞ」


父親が王様みたいだ。じゃあ俺は王子様か?!まぁ薄々は気付いてたけど。


「けど、あなた赤ちゃんの時から黒髪なんて聞いたことがありませんがこの子は元気に育ってくれるでしょうか?」


「心配ないだろう。この公国を立ち上げた初代様は産まれた時から黒髪だったと聞いている。きっと先祖返りだ。初代様の生まれかわりかもな。期待できるぞ」


すみません。ただのしがないサラリーマンの生まれかわりです。とは言えない。


今更だがこれは夢だろうか。明日大手の商談があったはずだ。自分が行かないと仕事丸投げの課長が、恥をかいてかしまう…あまり困らないか。


夢にしてはあまりにも現実味がありすぎるがきっと夢だ。起きたらいつもの日常のはずだ。


まどろんできた意識をそのまま手放し眠りについた。

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