第18話 無限倉庫
無限倉庫について考える。
「アイテムボックスを作成するとき途中で大きさが把握できなくなった。たぶんあのとき無限倉庫になったとおもうんだけど」
アイテムボックスを作ったときの事を思い出す。
「アイテムボックス自体が異空間魔法だから魔力を込める段階でどこか異次元にでも繫がったのかな?」
アイテムボックスの物が異次元に吸い込まれた場合取り出すことができなくなるのではないか?そう思い先ほど収納した熊を取り出す。
「普通に取り出せたな。色々思うところはあるが今度レオにでも聞いてみるか」
再度熊を無限倉庫にしまい。無限倉庫について考えてるのをやめる。
「それにしても酷い格好だな」
返り血を浴び真っ赤になった自分の姿をみる。
「この世界にあるかわからないけど」
自分に向かってクリーンと唱える。
血が取れ洋服が元の状態に戻る。
「心なしか髪もサラサラしたような気がする」
やっぱり魔法最高と思いながら屋敷に戻る。
屋敷の裏口に戻った所でエマがベルナルドを連れてさっきの熊との戦闘場所兼ウサギ殺戮現場に向かっているのがみえた。
エマもこちらに気づいたようで
「アル様先ほどあちらから大きな音がしたのですが何か知りませんか?」
「ベルナルドが木を切り倒す音は聞こえてたけど何かあったのか?」
エマはジーーッとこちらを見てくる。
背中を冷や汗が流れる。
「いえ失礼しました。レオがフォレストグリズリーの亜種グレイトグリズリーを見たと騒いでいたもので、さっきの音は戦闘音かもしれません。グレイトグリズリーは魔法の効きづらいので安全が確認できるまで屋敷の中でお待ち下さい」
そう言うとベルナルドと合流して森へと走って行った。
誤魔化せた。ホッとしながら屋敷の中に入った。
屋敷の中に戻るとレオが優雅にお茶を飲んでいた。
「アル様おかえりなさい。ご一緒にお茶いかがですか?私の秘蔵の茶葉でして」
レオがお茶を誘ってきた。
「レオは行かなくていいのか?」
自称公国内最大戦力に問いかける。
レオはさも当然という顔で答える。
「えっ?!嫌ですよ危ない。グレイトグリズリーですよ。Sランクがパーティーを組んで倒す相手です。魔法も効きづらい相手ですし、こうやって屋敷を守るのも僕の大切な仕事です」
自信満々に言い切るレオ。
その危険な相手にエマとベルナルドは立ち向かおうとしているんだけどな。
癪だったので注いでくれたお茶を一気に飲み干す。
「アァ〜!もっと味わって飲んで下さいよぅ。お茶を楽しむのも紳士の嗜みですよ」
知るか!!紳士がおじいちゃんおばあちゃんだけに危険な仕事を任せるか!!
時系列的に離宮の場所の前の話なので主人公はレオの事を先生を付けず呼び捨てです。