第15話 ウサギ狩り
囲まれたか?!マズイな。そう思いながら周囲を見渡す。
仲間が殺されて慎重になっているのか、ジリジリとゆっくり包囲を狭めてくる。
屋敷まで100mか。逃げるか?ふと考える。だが角ウサギの大群を引き連れて屋敷に戻る事になり、屋敷を出た事がバレてしまい怒られるだろう。怒られるくらいならすべて片付けて証拠を隠滅してやろう。
なんともズレた思考となり、角ウサギ達を全滅させる方法を考える。
魔法はイメージって言うもんな。
さっきの方法では一匹ずつしか仕留めることはできない。もっと効率的な方法はないか?マシンガンでは一方面しか対処できないしな時間が掛かる。そもそも銃なんて日本に住んでいる以上触ったこともない。
上から攻撃できれば……
おもいっきりジャンプして槍でも降らせてみるか。槍も触ったこともないけど。
早速真上に向かってジャンプする。強化された身体は地面が抉り真上に発射される。
「ありゃ?力入れすぎたかな?」
不思議と冷静な自分がいた。グングン高度をあげ、徐々に上昇の速度が落ち周りの山々の中腹まで視線が上がったところで降下を始める。
イメージを固め自分の周りに槍を100本作成。それぞれ魔力を1万ずつ注ぎ込む。
「着地地点が見えない。キチンと元の場所に降りれるか?」
ドンドン地面が近づいて来る。空を見上げている赤い目の集団が目に入った!
「見えた!!イッケーー!!!」
腕を振り下ろし槍を一斉に発射する。
すると槍がそれぞれ10本に分かれる!
「槍が分裂した?!いや増殖か!!」
一本一本の大きさは変わらないが数を増やし角ウサギ達に向かって行く。
ズッドン!!!
無数の槍が一斉に角ウサギを突き刺す。
「ヤバイ!音でエマにばれたか?」
そうボヤきながら降下速度をゆっくり落としながら着地する。
「全滅したか?ウワァ〜〜〜やっぱりリアルはエグいな〜〜」
思わず声を上げてしまう。
体が穴だらけになって血が吹き出ている角ウサギ、肉が抉れて内臓がはみ出している角ウサギ。割合綺麗な状態の角ウサギもいるにはいるが数は少ない。見るに絶えない残状だ。
「しかしどうしよう?血の匂いで他の魔物がやってくるのはテンプレだよな。早く処理しないと」
そう呟いてると
「グルルルル」
目の前に7〜8mはあろうかという巨大な熊がいた。
「ウワ〜クマさんだ〜?!」
あまりにもな光景に変な声を上げていた。
主人公自分がどうやって着地したか気が付いていません。