第11話 Stage 1:勝利の代償、そして20連
────────────────────────
◆ 前回のあらすじ
十日目、黄巾の別動隊(約三十人)が、予定より早く襲来。
「二十日後」のはずが、「三十分後」という緊急事態。
だが、主人公・李明は、配下たちと共に、これを撃退した。
黄忠の弓、兄の剣、徐庶と石韜の罠、そして駆けつけた文聘の太刀筋。
一週目では守れなかった家族を、今度は守りきった。
戦いの後、「結果を出した」ことで、信頼度が爆上げ。
徐庶、石韜、文聘が正式な配下となった。
だが、これは、まだ「別動隊」にすぎない。
本隊は、もっと大規模。
約十九日後、本物の試練が来る。
────────────────────────
十一日目の朝。
勝利の余韻は、長くは続かなかった。
朝、店の様子を、見て回った。
別動隊との戦いで、店は、それなりに、傷んでいた。
壊された門。
荒らされた、店先。
そして囮として、奪われた金品。
「……まあ、命があるだけ、いいか」
俺は呟いた。
配下たちにも、軽傷者が、出ていた。
兄は腕に軽い切り傷。
張小六は足を、少し痛めていた。
だが、全員、命に別状はない。
一週目では、全員、死んだ。
それを思えば、軽傷で済んだのは、奇跡だ。
父が俺のところに、来た。
「明」
「父さん」
父の顔は複雑だった。
「お前が、賊を、撃退したと、聞いた」
「はい」
「店は、傷んだが……家族は、無事だ」
父はしばらく黙った。
そしてぽつりと。
「ありがとう。
お前のおかげで、皆、助かった」
「父さん……」
「だが、明」
父の目が鋭くなった。
「これで、終わりではないのだろう?」
「……はい」
俺は頷いた。
「もっと大きな賊の群れが、来ます。
約十九日後に」
父は息を、呑んだ。
そして深く頷いた。
「分かった。
お前を、信じる。
必要なものが、あれば、何でも言え」
────────────────────────
李潤 信頼度:82 → 90(+8)
★信頼度90到達・深い絆★
李潤が、息子を完全に信頼しました
────────────────────────
「お……」
父の信頼度、90。
一週目では、ここまで、信頼されることは、なかった。
商家の次男坊。
跡継ぎでもない、半端者。
でも今は、違う。
「父さん、ありがとうございます」
俺は深く頭を下げた。
昼。
配下たちを、集めた。
黄忠、徐庶、石韜、文聘。
四人の武将が、揃って、俺の前に、座っている。
……改めてすごい光景だ。
一週目の俺は独りぼっちだったのに。
「皆さん、昨日は、ありがとうございました」
俺は頭を下げた。
「礼には及ばん」
黄忠が言った。
「儂らは、お主の配下だ」
「うむ」
徐庶が頷いた。
「だが、李明殿。
ここからが、本番だ」
徐庶の目が鋭くなった。
「昨日の別動隊は、三十人。
だが、本隊は、その比ではない」
「どれくらい、来ると?」
「儂の読みでは、百から、二百」
「……っ」
場が、緊張した。
「百から、二百……」
俺は息を、呑んだ。
昨日の、三十人ですら、ギリギリだった。
その、数倍。
「李明殿、はっきり、言おう」
徐庶が続けた。
「このままでは、本隊には、勝てぬ」
「……」
「もっと戦力が、必要だ」
石韜も頷いた。
「儂も同意見だ。
今の戦力じゃ、二百は、捌けん」
「……」
俺は考え込んだ。
戦力を、増やす。
傭兵を、雇うか。
だが、十九日で、集められる傭兵は、限られる。
……いや。
そうだ。
俺には、あれがある。
「皆さん、少し時間をください」
俺は立ち上がった。
「策を、考えます」
自分の部屋に戻った。
そして頭の中でシステムを、開いた。
────────────────────────
[!]累計信頼度ポイント
現在:2,150pt
内訳(戦闘での大量獲得):
・黄忠 信頼度上昇分
・徐庶 信頼度上昇分
・石韜 信頼度上昇分
・文聘 信頼度上昇分
・兄、父、家族の信頼度上昇分
[!]ガチャ可能
1回引き(100pt)
10連(1,000pt:Bレア以上1個確定)
20連(2,000pt:Aレア以上1個確定)
────────────────────────
「……2,150pt」
俺はウィンドウを、見て息を、呑んだ。
昨日の戦闘で、信頼度が、爆上がりした分、ポイントが、大量に、貯まっていた。
「これは……」
20連が、引ける。
Aレア以上、確定。
「やってやろうじゃねぇか」
俺はウィンドウに、念じた。
「20連、引く」
────────────────────────
[!]20連ガチャを実行します
消費:2,000pt
残り:150pt
Aレア以上、1個確定
────────────────────────
そして。
システムの、演出が、始まった。
視界に、星が、流れた。
一つ、二つ、三つ……。
二十の、光の粒が、宙を、舞う。
そして一つずつ、弾けていく。
────────────────────────
【20連ガチャ・結果】
1. [Fレア・武具]欠けた茶碗
2. [Dレア・武将]農夫・李二
3. [Fレア・スキル]くしゃみが出にくくなる
4. [Cレア・武具]鉄製の槍
5. [Dレア・スキル]方向感覚が良くなる
6. [Cレア・武将]兵卒・王五
7. [Fレア・武具]錆びた鍋
8. [Bレア・スキル]弓術の心得
9. [Dレア・武将]農夫・趙六
10. [Cレア・武具]革の鎧
11. [Fレア・スキル]寝つきが良くなる
12. [Bレア・武将]元・官軍兵士・陳大
13. [Dレア・スキル]暗算が速くなる
14. [Cレア・武将]猟師・孫七
15. [Fレア・武具]擦り切れた布
16. [Bレア・武具]上質な長剣
17. [Dレア・武将]農夫・周八
18. [Cレア・スキル]視力が良くなる
19. [Fレア・武将]通行人A
20. ★[Aレア・武将]趙累★
────────────────────────
「うっわ、Fレアと、Dレア、多すぎ」
俺は思わずツッコんだ。
欠けた茶碗。
錆びた鍋。
くしゃみが出にくくなる。
「茶碗て。賊と、茶でも、すすれってか」
「鍋て。煮込むのか、賊を」
「くしゃみて。誰得だよ」
……しょぼい。
しょぼすぎる。
二十連で、これか。
だが。
最後の、二十番目。
★Aレア・武将★
金色の光が、宙に、立ち上った。
「お……っ!」
これが、A以上確定の、枠。
────────────────────────
★Aレア武将・獲得★
趙累 字:なし 35歳
武力:60/統率:85/知力:80/政治:78
[Aレア]
特技:兵站管理、軍の組織化、民の統率
史実:後の関羽の片腕。
荊州の都督を務め、最後まで関羽と運命を共にした、
忠義の士。
信頼度:80スタート(ガチャ獲得・即配下化)
────────────────────────
「趙累……」
俺はウィンドウを、見て頷いた。
派手な名前では、ない。
でも知っている。
趙累。
後の、関羽の、副官。
兵站と、組織化の、名手。
派手な武勇は、ないが、軍を、まとめる力は、本物。
そして何より——忠義の士。
「これは……当たりだ」
俺は心の中でガッツポーズした。
大軍を、相手にするなら。
趙累の、組織化能力は、まさに、うってつけ。
さらに。
ガチャ結果を、見直すと。
いくつか、使えるものが、あった。
────────────────────────
[!]今回の有用な獲得
【武将】
・趙累(Aレア):軍の組織化のスペシャリスト
・陳大(Bレア):元・官軍兵士、実戦経験あり
【武具】
・上質な長剣(Bレア):兄に渡せる
・鉄製の槍(Cレア):張小六に
・革の鎧(Cレア):誰かの防具に
【スキル】
・弓術の心得(Bレア):主人公が習得 → 自分も戦える
────────────────────────
「お、弓術の心得……」
俺は自分の手を見た。
これで、俺自身も、少しは、戦える。
一週目の俺はただの、足手まといだった。
でも今は、違う。
「弓術の心得、ありがてぇ」
俺は呟いた。
そしてその夜。
趙累が、李家に到着した。
がっしりとした、体つき。
真面目そうな、顔つき。
「お初に、お目にかかる。
趙累、と、申す」
「李明です。
よろしくお願いします」
「儂、お主に、仕えると、感じた。
不思議だが、そう、感じた」
……ガチャの、信頼度80スタートの、効果だ。
「趙累殿、早速ですが、お願いがあります」
「うむ」
「約十九日後、大規模な賊の群れが、来ます。
百から、二百。
その防衛の、組織化を、お願いできますか」
趙累の目が光った。
「組織化、か。
儂の、得意分野だ」
「本当ですか!」
「うむ。
民を、まとめ、即席の、自衛隊を、作る。
儂に、任せよ」
頼もしい。
まさに、今、必要な、人材。
────────────────────────
趙累 信頼度:80 → 85(+5)
★早速、配下として活躍開始★
────────────────────────
自分の部屋に戻った。
そして頭の中でシステムを、開いた。
────────────────────────
【11日目終了:リザルト】
配下武将:
・黄忠(Sレア):90
・徐庶(Aレア):95
・石韜(Aレア):88
・文聘(Bレア):80
・趙累(Aレア・新規):85 ★ガチャ獲得★
・陳大(Bレア・新規):80 ★ガチャ獲得★
・張小六(Dレア):90
家族:
・李潤(父):90 ★深い絆★
・李澄(兄):92
・李綾(妹):100
・陳氏(母):76
[!]獲得スキル
・弓術の心得(Bレア):主人公習得、戦闘可能に
[!]今日の重要進捗
・父の信頼度90到達
・20連ガチャで趙累(Aレア)獲得
・軍の組織化の目処が立つ
[!]黄巾本隊の到達まで:18日
累計信頼度ポイント:150pt
地位ランク:Rank 1(補正×1.3)
────────────────────────
「……」
俺はウィンドウを、見つめた。
戦力は、着実に、整いつつある。
武将は、六人。
黄忠、徐庶、石韜、文聘、趙累、陳大。
そして組織化の、目処も、立った。
だが。
相手は百から、二百の、大軍。
まだ足りない。
「もっとだ」
俺は呟いた。
「もっと戦力を、集める。
そして、絶対に、守りきる」
窓の外。
十八日後に、迫る、本隊。
だが、俺はもう独りじゃない。
「やってやる」
次回予告
Stage 1:組織化、そして新たな縁
十二日目。
趙累が、本格的に、襄陽の自衛組織を、作り始める。
そしてその活動の中で、新たな縁が、生まれる。
[!]縁の予兆
襄陽の郊外に、ある武人が、いるらしい。
「弓の名手がいる、と?」
本隊との決戦に向けて、戦力集めは、続く。
[次話に続く]




