戦闘描写 リハビリ
題名のとおりです。
風が吹き、乾いた大地を撫でる。
空は紺碧を湛え、雲はない。
そこには、二人の戦士がいた。
一人は、隆々とした筋肉を身に纏い、むせかえるような獣気を放つ、徒手空拳の男。
片や、木葉のように風に吹かれれば飛ぶような長髪の優男。片手には、よく手入れが行き届いた銀色にきらめく長大な太刀がある。
彼らには戦う理由はない。
しかし、強者を屈するという勲を立てることにおいては、何一つとして違わず、両者の魂は熱くたゆたわせた。
彼らは一言たりとも交わさず、構えもせず、ただ相手を見据えている。
空は、宇宙が黒であるということを疑うほどに一面が青で、飛ぶ鳥の両翼の柄さえ、その白々しいほどの青により鮮明に認識できた。
すると、そこに一羽の大鷲が綺麗な弧を描き、彼らの頭上を飛んでいく。その、無防備だが優雅に飛ぶ様は空の王に相応しい。
突然、鳶は翼をはためかせ、高らかに飛翔した。
それと同時に、彼らは地面を蹴り上げる。
最初の一撃は刀の男だった。
鋒を乾燥した大地に這わせ、一気に徒手の男へ逆袈裟切りを放ったが、徒手の男は寸でで制止をする。剣が引き連れた空気が首元で巻く。それは長髪の男の技量を物語っていた。
両者は背後に飛びのき、間合いを広げた。
空気はさらに緊迫を許し、剣山のような刺々しい殺気が張り詰める。
そして、彼らは再び戦いという名の快楽にその身を賭す。