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多数対一
彼女は身長ほどの無骨な剣を細い片手で振るうと、重苦しい空気が払われた。
それは戦いの火蓋が切られた事と同義であった。
少女を囲む幾百の人間とも似つかない二足歩行のそれらは、中心に跳ぶ。
空気を裂く音とともに、突然、白銀の直線が群がるそれらに引かれた。 腰に引かれたものは腰を砕かれ切断。首に引かれたものは頭が吹き飛んだ。
「雑魚が」
少女の分厚い大剣を振るう腕は白く細い。
その腕が小枝を操るように大剣を軽々、振るう。一度、威を振るうだけで、必ず何かが裂かれた。
少女は一息付くように、剣の先を地面に付ける。
彼女の周りには、それらの死体で満ちていた。
しかし、それらは臆さない。感情さえ消え去っているのだ。 腕が吹き飛ぼうが、足が飛ぼうが、それらには彼女を殺すようにインプットされていた。
また、一つ、少女の剣閃に壊された。