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始まりの瘴気の浄化を終えて

ドリミア王国に発生した瘴気の浄化を終えたロリエッタは、歓喜に酔いしれる人々に迎えられながら、お城にある聖女の部屋に戻ってきた。


浄化が終わった事を国王陛下に報告した後、自分の部屋で寛いでいた彼女の元へ、ドルマンがやって来た。


「お久しぶりね、ドルマン。魔法が使えなくなったそうね?」


「ああ、この城にいる人間で、魔法が使えるのはお嬢だけだ」


「知っているわ。瘴気の浄化に同行していた人達も、生活魔法すら使えていなかったもの。何もかも魔法騎士団の隊員にしてもらっていたわ」


「魔法騎士団の隊員は魔法が使えていたのか?」


「ええ、使えていたわ」


「まずいな。もしかしたら、国王の側にいる親衛副隊長のホワイル・ブラウンも、魔法が使えるのかも知れない」


「いえ、それはないわ。さっき国王陛下に瘴気の浄化が終わった報告に伺った時、彼は魔法を使っていなかったわ。ドアも手で開けていたし、その他の事も全て、魔法ではなく自分でやっていたもの」


「そうか、それを聞いて安心した。だが、本当にやつが魔法を使えないのか、もう暫く様子を探っておこう」


「相変わらず用心深いわね」


「こちらが魔法を使えないのに、監視されている側の人間が、魔法を使えるのはやっかいだからな」


「確かにそうね・・ドルマン、私は疲れてるの。もう部屋から出て行って貰えないかしら?」


「そうだったな。お嬢、それでもお前の魔力が消えてなくて良かっ」


「ありがとう。あ、もう一つ気になっている事があるんだけど・・あの瘴気は貴方達が呼んでいるの?」


「いや、この国に発生した瘴気を呼んだのは俺たちではない。俺たちが呼んだのは、この国の外に発生した瘴気だけだ。


だから、この国に瘴気が発生した時は、さすがの俺も驚いた。お嬢が浄化してくれて助かったよ。さすが我らの聖女ロリエッタさまだ」


そう言ってドルマンはロリエッタの部屋から出て行った。


ゲームの中でも同じように瘴気は発生していた。その時も、国外の瘴気を呼んでいたのはフェナンシル伯爵領にいる闇魔法の使い手達だった。


その瘴気を浄化するのが聖女レティシアで、一緒にやってきた魔物を退治するのがアフレイド・ノイズが率いる魔法騎士団だった。


ゲームの中でも、このドリミア王国にも瘴気は発生していた。そして、それを浄化するのが、聖女ロリエッタだったのだ。


(ドリミア王国に発生する瘴気は、フェナンシル伯爵領の闇魔法の使い手が呼んだのではなかったのね。)


これから発生する全ての瘴気を浄化して、ウィリアム殿下と婚約する自分を思い浮かべながら、ロリエッタは眠りについたのだった。

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