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頭の皿
「やぁ、こんにちは」
ペタリペタリと、陽の光に皿を煌めかせて、川のほとりをむねをはってカッパさんが歩いていたので、たぬきさんは声をかけました。
なやめるたぬきさんはカッパさんに相談してみました。
「ねぇねぇ、なんでぼくには友達ができないんだろう?ぼくはみんなが大好きなのに」
「なんだよ、こっちにくるな!どうせまたぼくのじまんのお皿を、石でたたきわるつもりなんでしょう?」
カッパさんはそう言って、ペタペタペタリと森の奥にはしりさってしまいます。
「なんでぼくをおいていくの」
たぬきさんはうつむいてしまいます。
キリギリスくんが音楽ではげまします。
りんごの木がぽとりと実をおとして、にこりとわらいます。
「きみたちは優しいね」
たぬきさんが言いました。
たぬきさんはうつむきながら、とぼとぼと森の奥へと歩いていきます。