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護衛艦「みかさ」  作者: 照山
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第9話 第二次日本海海戦 結 1

「日本国の荒廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」


彼のは放った言葉は今後の戦況に大きく左右することになる。


12月24日午前10時46分、日露戦争での日本海海戦が起きた地域で再び戦いの火蓋が上がろうとしている。交戦するのは日本の海上自衛隊第1・第2作戦艦隊の計16隻とウラジオストク駐留のロシア太平洋艦隊第1~第3艦隊の計20隻が対峙した。


「前方ロシア海軍艦艇20隻を確認!艦長、どのように蹴散らしますか?」


「まだ射撃許可は出せない。向こうの出方を伺う」


「了解」


護衛艦「みかさ」艦長・芦田諒太はロシア艦隊の動向に注視している。


「全艦に告ぐ、即応射撃準備を開始せよ。繰り返す即応射撃準備を開始せよ。照準を敵駆逐艦隊に定め、射撃命令を待て」


芦田の作戦として敵が攻撃した場合すぐに撃ち返さないと手遅れになることを想定して即応射撃体制を敷き、速やかな反撃を取ることが可能になった。


「艦長!空母です!前方に空母を確認!」


「不味いな・・・護衛艦「こんごう」「あたご」に要請」


『護衛艦「こんごう」から「みかさ」へ。芦田艦長、何でしょうか?』


「敵艦隊に空母を確認。ミサイル発射と艦砲射撃の準備を開始せよ。護衛艦「あたご」も分かったか?」


『もちろんです。射撃長、目標の照準を敵空母に定めろ!』


『了解』


「空母か・・・厄介だな・・・」


ロシア海軍空母「ヤクーツク」は戦闘機50機搭載することが出来る空母である。海上自衛隊は敵艦隊が空母を持ってくるとは想定していなかったため芦田は悩んでいた。


「護衛艦「いずも」に作戦参加を要請しよう」


「艦長、「いずも」は現在インド洋で米英軍と部隊展開中です。「かが」なら呉にいるので出せますがどうしますか?」


護衛艦「かが」は「いずも」同様、戦闘機を載せられるように改修された護衛艦である。「いずも」は米英海軍と各海域にて部隊展開中であるため戦闘機を載せられる護衛艦は「かが」だけである。


「護衛艦「みかさ」から呉基地へ。ロシアの空母を確認したことを報告する。そのため「か

が」に戦闘機を20機弱入れて来てもらいたい」


『護衛艦「みかさ」へ。作戦参加要請を承認した。護衛艦「かが」をそちらに派遣する』


「了解。支援感謝する」


護衛艦「かが」の作戦参加が認められた。「かが」護衛に潜水艦「ひだか」とともに作戦海域に向かうことになった。


「艦長、呉の方は?」


「こちらに派遣することが許可された。数十時間後に到着するようだ」


「良かったですね!」


その時、ロシアの駆逐艦からミサイルが発射された。


「全艦に告ぐ、敵ミサイル発射を確認。迎撃を開始せよ!」


「了解!」


ロシア海軍駆逐艦から15発のミサイルを発射した。海上自衛隊は迎撃体制に突入した。


「迎撃ミサイル発射用意!撃て!」


ミサイルに向かって進んでいった迎撃ミサイルは全発迎撃に成功した。しかし


「敵空母から戦闘機6機発艦!ミサイル2発ずつ装着して今発射しました!」


「もう一度迎撃ミサイル発射用意!撃て!」


敵戦闘機が放ったミサイルは全弾撃墜した。


「敵戦闘機から放たれたミサイル・・・撃墜しました」


「まだ安心できない!総員敵艦隊への射撃を許可する!撃て!」


海上自衛隊の反撃が開始された。対艦ミサイルや艦砲射撃を行った。


「敵艦隊に全弾命中!」


「総員に告ぐ、敵空母を撃沈せよ。繰り返す。敵空母を撃沈せよ」


一部炎上中のロシア艦隊を見つめながら芦田諒太は命令した。


一方ロシア太平洋艦隊司令官ウェルジミは


「日本海軍からのミサイル攻撃により全艦に命中。航行不能になった艦もあります!」


「くそ日本海軍め!動かせられる艦で反撃しろ!」


「了解!総員ミサイル発射用意!撃て!」


「相手が無傷とはこしゃくだな・・・流石防衛に特化した軍隊か」


「納得している場合ではありません!また迎撃されました!」


「何でだよ!こうなったらこちらも艦砲攻撃を行うぞ!」


「了解です!全艦、艦砲射撃用意!撃て!」


航行可能な駆逐艦16隻から一発ずつ砲撃した。


「これでどうだ・・・」


「8発命中!2隻無力化に成功!」


「半分は?半分はどうした?」


「避けられました・・・」


「まじかよ」


艦砲攻撃によって海上自衛隊護衛艦「せんだい」「ましゅう」が無力化された。


「護衛艦「せんだい」「ましゅう」から全艦へ。敵攻撃により航行不能になった。救出を求める」


「了解。沈没の危険性があるため速やかな救出を開始する」


その後2隻乗員320人の救出が完了し、対馬に運ばれた。死者はゼロだったものの怪我人が多かった。また「せんだい」「ましゅう」は当たり所が悪かったため浸水が発生した。数時間後に完全に沈むと予想される。


「乗員の救助完了。再攻撃を開始します!」


「了解。全艦に告ぐ、敵空母にミサイル攻撃を開始せよ!」


14隻の護衛艦から2発ずつ発射された。発射されたミサイル28発の内17発迎撃されたが11発着弾した。


「敵空母にミサイル着弾!沈没の兆候を確認!」


海上自衛隊の攻撃により沈没開始した空母「ヤクーツク」。海上自衛隊は救出活動を行った。


「助けてくれてありがとう。俺は本当は戦いたくないんだ」


「私もです。もうすぐ終わらせますね。あなた名前は?」


「ジェーンです。あなたは?」


空母艦長のジェーンは芦田に問う。


「海上自衛隊護衛艦「みかさ」艦長芦田です」


「よろしくアシダさん」


10時に開戦した海戦は8時間を経過しようとしていた。果たしてこの海戦を制するのはどちらか。

次話で日本海海戦終了です。よろしくお願いいたします。

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