第8話 第二次日本海海戦 中
12月23日夜11時、海上自衛隊佐世保基地に出動命令が出された。内容はウラジオストクのロシア艦隊と対馬海峡通過のロシア艦隊が合流するとの情報が入った。
「総員に通告!これよりロシア艦隊を迎撃する。場所は日本海全域である。心して任務にとりかかるように」
「おう!」
護衛艦「みかさ」も出動命令が出され、120年ぶりに日本海の海を踏みしめることになる。芦田諒太は
「全員に伝える。この戦いは極めて重要である。また、国の命運が左右する瞬間でもあることを忘れないで欲しい。全員で生きて帰って来ようじゃないか!」
「はい!」
「それでは乗艦!直ちに準備せよ!足元にもな」
しかし出港時間はもう少し夜がふけてからになった。出港時間が決まったのはクリスマスイブ当日の7時となった。
「全員メリークリスマス!本当だったら皆で祝うんだが任務を終わらせてからによう!」
「了解!」
そして護衛艦「みかさ」を先頭に護衛艦「こんごう」「あしがら」「いせ」「おおなみ」「かすが」「にっしん」「ちょうかい」の第1作戦艦隊が佐世保から、護衛艦「ひゅうが」「みょうこう」「あたご」、「ふゆづき」「せんだい」「せとぎり」「ふじ」「ましゅう」の第2作戦艦隊が舞鶴から計16隻が出港した。
「艦長。勝てますかね・・・」
「やってみないと分からない。結果は数時間後。その時まで頑張らなければならない」
「了解です。しかし生きている間に再び日本海海戦が始まるとは想像できませんね!」
「そうだなぁ」
そして昼過ぎに舞鶴基地から出港した第2作戦艦隊と合流した。合流場所は1905年の日本海海戦と同じ海域である。芦田は緊張していた面持ちをしていたが好物のモンブランを食べ、落ち着いた。
「艦長はモンブランがお好きなのですね」
「あぁこれを食べると良い判断力を身に付けることが出来る」
「なるほど・・・」
すると第2作戦艦隊から通信が入った。
『こちら第2作戦艦隊護衛艦「ひゅうが。まもなくロシア艦隊と接近する。不足の事態に備えて各自準備するように』
「こちら第1作戦艦隊護衛艦「みかさ」より第2作戦艦隊へ。全艦に準備を通告する」
『了解』
「総員!まもなくロシア海軍艦艇と交戦に入る。各自気を引き締めろ!この戦いは極めて重要である。幸運を祈る」
「艦長」
「何だ?」
「いよいよですね」
「あぁ。いよいよだな・・・」
「艦長、ロシア海軍です」
「全艦対空警戒を厳とし、戦闘準備体制をとれ!」
「了解!」
12月24日午前10時46分、海上自衛隊作戦艦隊は一列で航行後、ロシア艦隊と対峙した。120年ぶりの再戦であること、護衛艦「みかさ」がいることから芦田諒太はあの言葉を使った。
「日本国の荒廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」と
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします