第7話 第二次日本海海戦 序
12月20日、日本政府はロシア海軍が1週間以内に日本海沿岸に展開し、東北地方日本海側~中国地方日本海側のいずれかの県にミサイル攻撃を仕掛ける情報を極秘で入手した。政府は海上自衛隊佐世保基地と舞鶴基地に即応準備命令を発令し不足の事態に備えさせた。
「木部くん佐世保と舞鶴に最低でも10隻はあると良いのだがどうかな?」
「現在横須賀停泊中の「みかさ」等を佐世保に移動させています」
「そうか分かった」
「みかさ」は横須賀基地から佐世保基地に移動させる。その他「まや」「むらさめ」第11護衛隊の「やまぎり」が佐世保基地に移動となった。
「そういえば今海外に展開している自衛隊員はいくつだ?」
「現在自衛隊員12万人が各地で作戦行動中です」
開戦から1か月以上が経過した現在日本を守ろうという声が高まり、自衛隊に入隊する人が急増した。その結果開戦前24万人が今30万人まで増えている。一方各地で戦死者も相次いで出ているため反戦ムードも高まっている。
「この戦争はいつまで続くと思いますか?」
「それは俺に聞いても分からない。知っているとしたら未来人くらいだろ」
「はははそうですね」
深谷総理と木部防衛大臣はそのような会話をした。深谷総理の脳裏にはウラジオストク掃討作戦計画を立てていた。
翌日、佐世保追加の護衛艦が到着した。「みかさ」艦長の芦田諒太は第2護衛隊郡司令の栗城健吾に挨拶した。
「第1護衛隊護衛艦「みかさ」の芦田諒太です!栗城司令よろしくお願いします!」
「あぁよろしく」
「みかさ」艦長と隊司令が固く握手した。その後栗城司令は今後の作戦概要を説明した。
「さていきなりで申し訳ないがこのままだとロシア海軍には負ける。だが勝つ方法もある。それは己と仲間を信じることである。そうすれば息が合い、連携が取れるだろう。話がそれたが作戦の内容を説明する。我々は出動命令が発令され次第出動し舞鶴地方隊と共同作戦を展開し、ロシア艦隊を袋の鼠にする」
大まかな内容はこうである。佐世保地方隊と舞鶴地方隊の共同作戦により、日本海に展開するロシア艦隊を撃破または無力化させる。または挟み撃ちを行い、ロシア艦隊に混乱を生じさせ一瞬の隙をつけさせる。
「芦田艦長。この作戦で良いか?」
「問題ありません。ですがウラジオストクを攻撃しないと敵を倒しても何度も現れる可能性が大です。ここは殲滅よりも基地破壊を優先的にするのが良いと私は考えます」
「なるほど・・・それも良いかも知れない」
芦田諒太は日露戦争の資料からどのような計画を立て、いかに戦況を優位に立たせられるかどうかこれを綿密にしていた。
「皆さんこちらの映像をご覧ください。この映像は日露戦争の日本海海戦の資料映像です。彼の連合艦隊司令長官はロシア側を翻弄し、戦況を優位にしました。今回もこの映像を生かし、ロシア艦隊を混乱させ無力化させるか撃沈させ、大打撃を与えることを意識していきましょう!」
「はい!」
定例会議が終了し芦田諒太は設けられた宿舎に戻り、同室の毛里小路副艦長と雑談を交わした。
「ウラジオストクを注視しなければならない。各地で頑張っている友と共に誠心誠意やらなければならない」
そのように話した後、和須田幸太郎連絡報告員が部屋に入ってきた。
「艦長、ウラジオストクのロシア艦隊の規模が分かりました」
「おぉ来たか!それで数は?」
芦田は和須田にウラジオストクに小型偵察機を飛ばさせ、ウラジオストク停泊中のロシア艦隊の動向や駐留規模を確認した。
「空母2隻、ミサイル搭載艦3隻、通常艦13隻を確認しました」
「そうか・・・佐世保と舞鶴の艦数を会わせたら同じくらいか・・・大規模な戦闘に発展しそうだ」
「大丈夫です艦長。相手も楽な相手ではないと思っています。だから空母を2隻も用意したのでしょう。向こうもきっと我が国を恐れているでしょう」
「そうかもな・・・」
翌日、佐世保の在日米軍が連絡を行い、緊急時の場合は速やかに連絡し我々に伝えれば部隊派遣を行うと言ってきた。
「芦田艦長。昨日在日米軍から返答が来た」
「何のです?」
「海戦中の緊急時の後方支援に関する部隊の派遣だ。万が一全艦全滅危機になった場合、連絡を行えば部隊の派遣お行い後方支援を行うと」
「そうでしたか・・・」
ロシアの日本海沿岸攻撃まで残り72時間。日本を守るものとして芦田諒太は護衛艦「みかさ」の艦長としてどのような行動を起こすのか
少し遅れましたがよろしくお願いします