第4話 再び歩む道
11月7日、ロシアと中国軍の軍事演習が日本海で行われた。日本政府は海上自衛隊P-3を派遣し、不測の事態に備えて警戒監視を行った。
首相官邸
「我々政府として中国軍とロシア軍の我が国の排他的経済水域ギリギリの地点での軍事演習は驚異と見ています。現在海上自衛隊の哨戒機での監視を行い、緊急時に備えています。」
「総理!政府の対応は弱気などの声が上がっていますがもし仮に日本が攻撃を受けたらどのような対応を?」
「我が国に武力攻撃が発生した場合、その可能性がある場合は全ての自衛隊を用いて武力勢力を排除する方針です。」
「総理!そうしたら戦争になりますよ!?」
「ではあなた方は我々が何もせずただ指を加えて傍観しているだけでいいのですか?私はこの国を守るためにこの職に就いています。」
深谷総理は質疑応答後、定例会見を終えて足早に出ていった。1時間後、防衛省から緊急連絡が入った。
「はい深谷です!木部さんどうされましたか?」
「北朝鮮軍が軍事境界線を突破し、韓国軍が応戦しました。また、北朝鮮政府は韓国に正式に宣戦布告を行いました。」
「アメリカの反応は?」
「アメリカ政府は北朝鮮の韓国に対する宣戦布告を受け、韓国援護のため北朝鮮に宣戦布告しました。また、現在は在韓米軍が対処しています。今後自衛隊の後方支援を求められる可能性があります。万が一の事態に備えて自衛隊の集団的自衛権発動による防衛出動の準備をお願いします。」
「分かりました木部さん。集団的自衛権に基づき自衛隊に防衛出動準備命令を発令します。」
2025年11月7日11時39分、北朝鮮は韓国に侵攻した。これによりアメリカ軍が参戦した。また横田基地にある国連軍司令部が国連軍の再編成を提案した。すぐに安全保障理事会が開かれ国連軍の再編が決定した。またそれに連動するように中国軍が台湾にミサイル攻撃、ロシアのウクライナ再攻撃が始まった。NATOに秘密裏に参加していたウクライナがロシアに攻撃を受けたためNATO第5条が発動し、NATO軍即応部隊がロシアに攻撃を開始した。
「大変なことになった・・・」
深谷総理は木部防衛大臣・曽根外務大臣と緊急の国家安全保障会議を開催した。
「総理!すぐに自衛隊に防衛出動を!」
「まだ状況を把握しきれていないのに防衛出動は出せない!もう少し待っててくれ。」
「しかし中国・ロシア軍が我が国の同盟国に攻撃を加えています!直ちに自衛隊に集団的自衛権による防衛出動を!」
総理はテレビをつけ、速報に目を通した。SNSのリアルタイムでは【第三次世界大戦】がたくさん呟かれていた。また、日本政府の対応が遅いとの声も上がっている。
【政府は何をしている?まさかまだ状況に気づいていないとか?】
【政府と自衛隊は何しているんだ?】
等と批判の声が上がっていた。深谷総理は遂に決断した。
「自衛隊に防衛出動を発動。そして全ての防衛装備品使用及び土地占領を許可する。」
「了解です総理!」
防衛大臣は統合幕僚幹部に集団的自衛権による防衛出動を整えるように命令した。深谷総理は緊急会見を行った。
「皆様再びお集まりいただきありがとうございます。先ほど中国が台湾侵攻、ロシアがウクライナに侵攻し北大西洋条約機構(NATO)がロシアに宣戦。さらに北朝鮮が韓国に侵攻し、アメリカ軍の派兵が決定しました。この事態により我が国はいつ攻撃を受けるか分かりません。よって自衛隊全部隊に対し防衛出動そして国民の皆様に対し国民保護を発動します。何か質問はありますか?」
深谷総理は記者に質問を求めた。しかし総理の言葉に納得したのか記者は質問しなかった。
「ないようでしたらこれで・・」 「総理に一つよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「第三次世界大戦の開戦と受け取っても良いのでしょうか?」
「あまりこういうことは言いたくありませんが開戦で間違いありません。事態は緊迫しており国家と同盟国の防衛のための処置を行います。」
その後緊急会見が終わった。SNSでは【自衛隊参戦キターー】や【政府珍しく対応が速いな・・】
【生きているうちに世界大戦が起こるとは・・】等とリアルタイムでは話されていた。
14時10分、中国軍が金門島と尖閣諸島に同時上陸し、死者ゼロで占領を完了した。海上自衛隊は第4護衛隊群第8護衛隊「ちょうかい」「はぐろ」「きりさめ」「すずつき」を派遣した。
一方護衛艦「みかさ」は横須賀基地で出動待機を命じられていた。護衛艦「みかさ」はいつでも出撃可能である。
世界は今再び戦争の道に進んでしまった。日本を含めたホワイト国40ヶ国とレッド国37ヶ国の戦いの行く末はいかに!
至らない点がありましたらよろしくお願いします。