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06 雰囲気


 まだ日も高くて少し早いんだど、ちょうど良い感じに開けた場所があったので、野営の準備を開始。


 危険さえなければ、こんな感じのユルい道中で行こうかと。


 今回の旅でみんながお泊まりするのは、幌馬車内の『空間』にある寝室なので、


 野営の準備と言っても、焚き火と簡単な釜戸と、夜番の俺の居場所を用意するくらいです。


 なにせお風呂もトイレもスマキ1号に完備なので。


 もちろん『空間』内の台所で調理も出来るのだけど、


 旅慣れたみんなとしては、釜戸で野外料理する方が楽しいみたいですね。



 歳若い乙女たちがてきぱき和気あいあいとお料理している様子は、


 少しずつ暮れていく辺りの様子と相まって、


 なんだか夢見心地で幻想的ですね。


 例えるなら妖精たちのパーティー、みたいな。


 そういえば俺、本物の妖精って、見たことないな。



「とても素敵な光景ですね」


 全くです、セシエリアさん。


 って、お料理の方は?



「皆さん、今回の旅のためにいろいろとご用意されてきたみたいで、今日は私の出る幕はありませんでした」


 それじゃ一緒に、あの娘たちの頑張る姿を応援しましょうか。



「お供します」


 うん、こちらはこちらで、とても良い雰囲気なのであります。



 そういえば、セシエリアさんは今まで一度も里帰りとかしていませんよね。


「ちゃんと速達鳥で連絡を取り合っていますので、お気遣いなく」


 プライベートにとやかく言いたいのではなくて、


 もし俺の家のために我慢させたり気苦労を掛けていたら、申し訳ないな、と。



「いいえ、皆さまとても良くしてくださいますし、今の生活に不満などございません」

「何よりも、ロイ様のいる場所こそが私の居場所、なのです」

「もうとっくに"俺の家"ではなく"私たちの家"なのですよ」


 恐れ入ります。


 野暮な質問、でしたね。



「野暮と言えば……」



 気が付くと、とっくに夕飯の準備を終わらせた娘さんたちから、遠巻きに見つめられておりました。


 あー、みんなごめん。


 出来ればリノアには内緒で……



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