04 お茶会
幌馬車スマキ1号装備の魔導ナビゲーションシステムに表示された地図に、いい感じの平原を発見。
「そろそろ休憩しましょうか」
みんな、了承の笑顔です。
ここで少々困ったことが。
今回の旅、家事全般は出来るだけセシエリアさんにお任せして、
みんなにはのんびり旅を楽しんでもらおうとしていたのですが、
「私もお茶のご用意がしたいな」
マクラちゃんがやる気まんまん。
「ハルシャもやりたいっ」
ハルシャちゃんのやる気にも火が着いたり、
領主の御令嬢であるニケルちゃんも、
元お姫さまのおふたりもそわそわし出して、
どうしよう、セシエリアさん。
「楽しい事はみんな一緒に、ですよ」
はい、お任せしちゃいます。
乙女たちが楽しそうにお茶の支度をしている光景を、
のんびり眺めるばかりの、俺。
小さな三人娘さんたちが頑張っている姿に、娘のアイネが小さかった頃のことを思い出したりして、
なんと言いますか、ちょっと泣きそうになっちゃうくらいに、幸せ気分。
「お待たせしました」
乙女たちからお招きを受けて、お茶の席へ。
「いただきます」×7
よくある景色の普通の平原に、
突然現れた小さなお茶会の場。
美味いお茶、美味いお茶菓子、
乙女たちのたくさんの笑顔。
幸せすぎて、これからの旅が、ちょっと怖い、俺。