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11 話


 そんな感じで、ユルい幌馬車ぶらり旅は進む。


 道中、争いごとは何も無し。


 外からの闘いも、内でのけんかも、全く無し。


 本当に平穏、みんな仲良し。



 そしてもうすぐ、この旅での唯一の目的地に、到着予定。



「どのような所なのですか」


 そういえば、セシエリアさんにも話してなかったね。


 いや、家族の誰にも、言ってなかったかな。



 以前、俺が三人パーティーで冒険者していたことは覚えてるよね。


 その頃、妖精に会える場所があるって、噂で聞いたんだ。


 正直、信じてはいなかったんだけど、仲間のひとりがどうしても行ってみたいってなっちゃってね。


 パーティーでそこを目指したんだ。


 その場所自体にはあっさり着いたんだけどさ、


 案の定、妖精には会えなかったよ。


 ただ、すごく綺麗な場所だったってことはずっと覚えていてね。


 機会があったらもう一度行きたかったんだ。


 それで、せっかくだからみんなと見てみたいかなって。



 ほら、着いた。


 ここが入り口。



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