表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落書き  作者: はるまき
19/20

帰宅

湖から吹き上げる風は、ますます勢いを増し

焼け残ったコンクリートの壁以外、ほとんど雨風を凌げる場所は無い。


壁の文字とは違い、とてもではないが歓迎の雰囲気ではなかった。


窓枠が落ちたのだろうガラスが砕け散る音が階下から響く


「もう、行くよ」


僕は彼女の部屋を出た。


廊下に出るとボロ切れとなったカーテンが狂ったように暴れ行く手を阻んでいたが

金具が外れたのだろう、階下に向け走り去るように飛ばされて行った。


実際、彼女の事をどう思っていたのかは自身の記憶ながら定かではなかった。


小学生の自分が記憶から排除したほどなのだから

恐ろしかったのだろう

しかし、起きた事を鮮明に思い出した今

彼女に対して嫌悪も恐怖も抱けなかった。



屋根が焼け落ちた二階は叩き付ける様な雨に洗われる。


雨は階段から滝の様に一階のホールへ落ちて行く。


ほとんど天井が抜けている一階も外と変わらぬ土砂降りで

風によってだろうか、天使像が傾いていた。





焼け落ちた壁から外に出ると、軽トラックのホーンが鳴り

ライトの光が近付いて来た。


終わったのだ…







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ