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お題シリーズ2

一番の宝物

作者: リィズ・ブランディシュカ



 友達の間で、ある物を見せ合いっこする事にした。


 一番の宝物。


 それぞれが大切な持ち物を持ち寄って、自慢しあうのだ。


 私達は、さもそれがとても素敵な事だとばかりに、持ってくるものについてお喋りしあって、見せ合いの約束を交わした。


 翌日、私達はそれぞれ自分が一番だと思う宝物を持ってきた。


 ある少女は、母親が買ってくれたワンピースを紹介した。


 ある少女は、誕生日に友達からもらったアクセサリーを見せた。


 またある少女は、数年前になくなったらしい祖父の形見である本を持ってきた。


 私も、彼女達に合わせて、修学旅行で友達と買ったお揃いのキーホルダーを自慢した。


 私達はとても満足しあって、自分達が仲の良い友達だと確認し合うのだ。


 けれど、それって本当に宝物?


 本当に大切な宝物は、見せびらかすようなものでもないし、軽々しく持ち歩く物でもない。


 どうせ、彼女等が持ってきた自称宝物は、二番目か三番目、それどころか、十番目くらいの品物なんだろう。


 そんな偽物を持ってきて、確かめあっているような友情が、大したものだとは思えない。


 形だけの儀式なら、やらなきゃいいのに。


 でも、そう。


 人間は弱い。

 どこかの集団に属していないと不安になるし、何かあった際に人から守ってもらえない。


 協調性のなさと、空気の読めなさは、この人間社会では致命的なのだ。


 だからみな、今日も嘘の仮面をはりつけて、嘘ばかりの生活を送っていくのだろう。



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