何となく思い出してきた。
今回、前半部分はアーネの独白です。
ようやく思い出します(笑)
皆様忘れがちですが、ここは異世界だということを覚えているでしょうか。
そして私はアーネ=トレンス、王太子の婚約者になって4年程経ち、ようやく7歳になりました。
相も変わらず前世の記憶やらなんやらは大体覚えています。
しかしねぇ?今更だけど、王太子の婚約者の侯爵令嬢どっかで聞いたんだよね。どこだっけ?今世じゃないよ?
…えっ、絶対に何処かで聞いた!喉元まで出かかっているのに!
はい、そこ!!本当に今更とか言わない!!(ビシィ!)
そんなことよりもうーん…うぅぅぅん…………。
はっ!!!思い出した!私、もしかしなくても悪役なのか!?悪役になっちゃうのか!?
…冷静に考えてもこの性格で「おーっほっほっほっ!」なんて高笑い出来ないから。
待て、今までの私何していたんだ!何で思い出せなかったんだよ!
いや、100%自分のせい!
だって、ここ平和すぎてのほほんと暮らしていただけなんだよ!
それに私、プレイしていたわけでもないんだから!
興味がないジャンルだったから聞いたことがあるなぁ位で済ませていたけど、そうもいかなくない!?
しかも、私の婚約者前世の親友の推しだし!!ここにいたいのはあいつじゃないか!?
今まで内心で騒いでいただけだけど、そうもいかなくなったか…。
取り敢えず何はともあれ所謂フラグというものを回避しなくてはいけない感じよね?
前世の時に流行っていた小説のように、フラグを華麗に回避!なんて芸当持ち合わせてないから。
そもそも、親友が事あるごとに語っていたから思い出したけど、7歳まですっかり忘れてたから!
あいつの言ってたことほぼ聞き流してたから!
くそぅ…こんな事になるならちゃんと聞いておくんだった…ってそんなこと分かるかい。
だいたい、なんでこの世界だったのかなぁ?
「―ネ、アーネ、アーネ=トレンス!」
「はっ、はい!」
「全く、ぼーっとする癖は昔から相変わらずだな。」
なんという言われよう。しかし悲しきかな、全くもってその通りなので言い返せない。
「レイ様、その言い方はレディに向かって失礼ですわ。」
「今更だろ。」
そう、今更だ。
あの後、結局陛下の手のひらで踊らされ見事婚約者となった。
レイ様は合わせるように口調や仕草を変えた。
まぁ、私も変えるようにした。でもふとした瞬間に元に戻っていたりする。
私はレイ様が大人っぽくなっていくのを見ていると寂しいと思うのと同時にどこか懐かしい気持ちになる。
「そうですわね、レイ様が私のことを女として扱ってないなんて本当に今更ですわ。」
「いや、そういう訳ではないが…。」
「いいえ、何年一緒にいると思ってますの、分かりますわ。」
「アーネもたまに口調とかが昔に戻るよな。」
ばれてた。
「うっ…。」
「何年一緒にいると思ってんだよ。」
ニヤリと返される。私はまだまだこの人には敵わないらしい。
ちなみに、アーネは前世腐ってたタイプの女子でした(笑)
まだ本編始まらなさそうです。