ミーティング
「あんただれ?」
森野は驚いたように侑芽をみた。
「えーっと、小学校の時フルートだった?でも見覚えないわ……」
と、森野は考え込んだ。
「あ、の……、初心者です。佐伯侑芽です。よろしくお願いします」
と、楽器を膝に立てながらおずおずと礼をした。
「先生、花野さんは北原中へ入学しました」
と、奈々実が手を挙げた。
『まわりからの視線がすごい……』
「……ふーん。まぁ、頑張って(どうせすぐやめるだろう)」
「は、はい!」
頑張ってと言う言葉がなんだか嬉しかった。
「まぁ、中学校での部活の方針としては、小学校のときに学んだことをどう出しきるか、とかそういうのを考えれるようにしましょう」
「「はい!」」
「それじゃ、ミーティングを終わります。今日は、まぁ、ずっとパート練でいいかな」
「「ありがとうございました!」」
と、みんな動き出した。
「えーっと、佐伯?と羽山こっち来て」
「はい」
と、2人は前に座る森野のところに歩いて行った。
「えーっと、佐伯 侑芽?だよね。楽器はオーボエ決定?」
「はい」
「そっか。うちは初心者とかそんなの関係ないよ。厳しいけど、本当に頑張れる?」
「はい! 頑張ります!」
と、侑芽は手を握りしめた。
「……そっか。もうパート練言っていいよ。羽山、教えてあげな」
「「ありがとうございました」」