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東野中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
きらきらひかる私の音色
21/24

コンクールメンバーになるには

「コンクールメンバー?」

陽菜が首を傾げた。

屋上の風で、彼女のスカートが揺れる。反射で、ピカピカのフルートが光る。隣には、台に置かれた艶やかな木でできたピッコロがある。

「って、どうやったらなれますか? ってゆーか、私がなれるんでしょうか」

陽菜の言葉を補うように聞く。

「で、なんで私?」

眉尻を下げ、自分に指差して笑う。

「え、と。桃子先輩も萌先輩も、すごい喜んでて。なんだか聞きにくいんです。それに、陽菜先輩は頼れる先輩ですし」

「んんんー!侑芽ちゃん好き♡」

と、親しげに抱きつく。

「え、えと」

侑芽は顔を赤らめる。

「で、どうしたらいいかって言われたらー……」

「練習、あるのみですかね」

「まず選ばれる方法知らないでしょ?」

ふふん、と笑う。

「基本、2、3年は出れるよ。コンクール。1年生はと言うとオーディションかな。まぁ人数が足りないところは人数合わせって感じで1年生が出るところもあると思うけどな。うちらの出るA編成は55人まで。2、3年生は全員で41人。だから、55-41で───」

「コンクールメンバーに選ばれる1年生は、14人……」

こくりと頷く。

「もちろん、それ以下の可能性もある。余った1年生たちでバンドを組んで、B編成に出場するパターンもありえないことはない。そして、そのB編成の中に2、3年生が入る可能性も考えないとね」

と、真剣な眼差しで聞く侑芽に助言すると、どんどん侑芽の肩が下がっていく。

「そうですよね……そんな簡単に行きませんよね」

陽菜は1つ、思うことがあった。

今年の自由曲、"マインドスケープ"。

人の心情風景を映し出したもの。毎年必ずどこかの高校が演奏する、難易度が高い曲。

2、3年で人数は十分である。だが、1つだけ足りないパートがあった。オーボエは2本必要なのだ。

マインドスケープをすると決まったのは5月に入った頃だ。森野が何故この曲を選択したのか。

オーボエのソリではなく、桃子1人なのか。もしかしたら、上達した侑芽がその枠に埋まるかもしれない。

だが、あくまで可能性だ。しかも、自分の目の前にはオーディションへの意気込みがある少女がいるのに、パートが足りていないから出られるかもしれない。そんなことを言ってしまっては妥協するのではないか。

だから、しばらく黙っておこう。

陽菜はふっと笑い、優しく侑芽の頭を撫でた。

「練習がんばりな! いつでも相談聞くから」

「ありがとうございます!」

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