性悪皇子の密かなつくり話
ときたま読者さまを中傷・否定・侮辱するような言葉が出てくるので、お気を付け下さい。
あの美しいお月さまのお話をしましょう
欲張りなある子は、贅沢をしたかったある子は、
地球の生き物ごと、海の水を飲み干しました
ある子は得意になりましたが、おなかが水で満杯になり、歩くことが出来ません
おなかが邪魔で歩くことが出来ません
地球はひからびてゆきます
ある子はひからびたその地の上で、
寝転ぶことくらいしか出来ませんでした
苦しい
苦しいよ
地球は砂漠となり、
今日も太陽がある子を照らしつけます
苦しい
もう、無理だよ
ある子のおなかはもう限界です
水だけで満たされたおなかの中では…
人類がどんどん生まれてくるのです
死んだ屍は外に出されることなく、塩辛い海の水にぷかぷかと浮いているのです
臭い
臭いよ
ある子のおなかからは異臭がします
今も人類が生まれてきているのです
どんどんどんどん生まれきているのです
どんどんどんどん
ある子しかいない地球もどんどんひからびてゆきます
どんどんどんどん
どんどんどんどん
ぱあぁぁぁん…
ある子のおなかは破裂して、
人類があふれ出してきました
海水と一緒に裸の人類があふれ出してきました
そしてどんどんどんどん人類が地上に戻ってきます
おかしな顔をして戻ってきます
使用済みの風船のごとくしぼんだある子は、
あまりに自分勝手だったため、
神さまの怒りをかいました。
そしてある子は
地球を追放されました。
それでもみれんがましく、地球にひっつくある子は
今でも地球のまわりをうろうろ廻っています。
あのお月さまは地球を追放されたある子なのです
一人ではまともに光を出せない役立たずなのです
夜しか顔を出せないのは神さまの罰なのです
あの綺麗なお月さまには、
そんな過去がありました。
今でも飽きずに地球にあこがれるある子は
いつでも君たちを見ています。
それはそれは恨めしそうに見ています。
なんて無様なんでしょう
でも君たちは、
そんな役立たずのおなかからあふれ出した
さらにどうしようもない奴らなのです
人の腹を破いておいて、我がもの顔をして地球に這い出た愚か者なのです
あのお月さまのように
控えめな美しいものになってください
それが嫌だというのなら
どうぞお星さまになってください
今君の居場所から見えるあのお星さまたちは
神さまの怒りをかった、愚か者なのです
地球を追放され
真っ黒な闇にただあほらしく輝く
『星』と呼ばれる役立たずなのです
夜に見えるあの美しい光景は
全て無様なものたちの慰めあいのごとく寄せ集まった、負け組なのです。
あなたたちは、
いつもそんな愚か者たちを見ているのです。
あたかも、尊敬のまなざしで…
ほら、
神さまは笑っているよ?
愚かものどおしが、お互いを恨めしく思いながら、
目を希望に染めていることに
ほくそ笑んでいるよ?
まるで、
同レベルの物体が、お互いを慰めあっているようにしか見えないのさ
本当
爆笑ものの光景だよ
全ては性悪皇子の作り話の中のお話でした…