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すべしシリーズ

断罪すべし

作者:

正直ごめんなさい。

私は、ナルシストが嫌いだ。だが、ナルシスト全てが嫌いな訳ではない。


例えば某亡国の不憫のような、容姿が整っていて自己賛美が強くても少し残念な所があって笑って許せるような、そんな人なら別に嫌いじゃないのだ。というか、むしろ好きだ。


じゃあどんなナルシストが嫌いかと言えば、人の迷惑を省みないゴミみたいなイケメン、もしくは美女だ。でも美女の場合はある程度なら許せるから、やっぱりイケメンが嫌いだ。


自分の顔が整っているのを自覚していて、なんでも自分の思い通りになると思っていやがるクソ野郎の、なんと質の悪いことか。


被害者の言葉を自分の都合の良いようにしか聞こうとせず、自分の利益ばかりを追求していて、本当、存在からして腐っているような人間だ。


なんでそんな人間が好かれるのか、私には一切理解できないが、所詮は人間。顔が大事ということなのだろう。ちなみに私は、一緒にいて楽かどうかが最も大事なことである。人見知りとコミュ障害を限界まで極めてしまった人間なのだ、私は。


此処まで語れば、私が今、どのような事態に陥っているか、理解した人もいるだろう。


そう、私は今まさに、自分が大嫌いなイケメンゴミ野郎に絡まれているのだった。


口が悪いのはそのせいだ、気にしないでほしい。






そもそもの始まりを、私は知らない。その男との接点は、その男が絡んでくるまで一切なかったのだ。


その男が絡んできたのは、暑さが厳しくなってきた高校2年の7月初めの頃だった。私が通う学校はどうしたわけか他の学校より文化祭を行う時期が早く、文化祭が終わった直後くらいのことだ。


私が朝のHRが始まるまでの自由時間に本を読んでいると、その男は突然やってきた。そして唐突に告げたのだ。


「ねぇ、佳乃さん。付き合おうか」


私は、恋愛に関して夢を見ていると自覚している。だからこそ客観的に現実の恋愛について見ることが出来ていると思っているし、それでなくてもだ。


この告白は、最低だろう。


いきなり人を名前呼びにするのはどうか、というのはただの私の好みの問題としてやるにしてもだ。この男、付き合おうかと言う語尾に?マークつけてないんだが。提案のわりに既にそれが決定事項かのような口振りだ。というか、初対面のくせに名乗りもしないとかどうなんだ。自分のことを知らないわけないとか思っているのか。残念だったな、お前なんか知らないんだよ。つか、顔が整っている人間が、人がたくさんいる教室で告白とかするなよ。整ってなかったとしても、するべきじゃないだろう。他の人間の、格好のネタにされるじゃないか。こいつ最低だな。


この時点で、私のこの男への評価は0である。だからこそ、私の返事は決まっていた。


「嫌ですが。お断りします。というか貴方誰です?あ、いえ名乗る必要はないです。これから先貴方と関わることはないでしょうから。それではさようなら、誰かさん。お帰りの出口はあちらですよ」


嫌いな人種にはとことん敵対してしまうのが、私である。正直もっと攻撃力のある言葉を言ってやりたかったとすら思っている。この事を告げたら、私の親友はどん引いていたが。


だが、これでもう、この最低な男と関わることはないだろうと思っていたのだ。このときは。


この日から、人の迷惑を省みない、男曰くアプローチという名の嫌がらせが始まったのだった。


どうしようか。この男の両足を切断してから転校してやろうか。


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