目覚め
美未との関係が崩れ落ちてから1ヶ月。待ちに待った席替えだ。
「美樹!好きな人ができても、美未に言っちゃだめだよ!奪おうとするから!」
『好きな人って、まだ出来ないんだよなぁ・・・』
「まだなの!?」
『そりゃそーだろ・・・』
「かずは?」
『オエッ!吐く!ムリムリ!!!』
「そんなに〜?」
『当たり前じゃん!あいつのことが好きな奴は顔見せろって感じだし!』
「平野さん!早くくじ引いてください!」
イライラ気味で言う学級委員。
今日の席替えで亜谷女は不機嫌だ。アタシはいい席だったけど・・・
アタシと川野くんが同じ班。美未と亜谷女とかずが同じ班だったから。
「いいなぁ、美樹席代わってよ!」
『無茶言うな。でもかずと離れた!』
「教室の端っこと端っこだもんね」
『今回はいい席だぞ♪』
「美未が残念そうだった」
『なんで?』
「そりゃ、拓哉と離れたからでしょ?」
『でも、美未って彼氏いるのに川野のこと好きなの?』
「すっげー男好きじゃん!」
『亜谷女怖いなぁ・・・』
うちの隣の男の子は美未のお気に入りの男子。かずが隣だった時はにぎやかだったけど、今はすごい静か。
そのかわり、川野が盛り上がらせてくれる。けど、イマイチ・・・・なんだろう。
この気持ち・・・・
「それは、恋だよん」
『は?亜谷女、殺すよ』
「そうなんじゃないの?今までかずが近くにいたのが当たり前だと思ってたんだけど、急に離れて、寂しくなった!・・・違う?」
『ま、確かに変な違和感があるけど、近くにおもしろい人がいないからじゃないの?』
「拓哉がおもしろい人じゃん」
『待って、しばらく考えて見る。』
アタシがかずのことが好き?ないない!ありえない!あんな奴のどこがいいって言うの?あんなに嫌いだったのに・・・・今更好き?うちも軽くなったなぁ・・・
「かずの事好き?」
亜谷女もしつこくなったな・・・
『分かんない。たぶん気なってるだけかも・・・』
「好きってことじゃん?」
「え!!!美樹、原田くんのことが好きなの?」
終わった・・・美未が来た。
「聞いてたの?」
いや、亜谷女怖いから!
「うん♪聞いてたよ!原田くんが好きなんだ〜・・・」
満足気に言うと美未はかずの所に言った。
「美未なにするつもりなんだろう・・・?」
美未に続けて亜谷女も行ってしまった。
『うちも行こう・・・』
あれ?行けない?なんか、恥ずかしくなってきた・・・・やっぱ好きなのかな?




