コンプレックス
待ちに待った席替え。気合を入れてくじを・・・
『おっしゃーーー!後ろのほうじゃん!!!』
「うしろが好きだねー・・・」
咲樹と亜谷女が呆れた顔で言う。
『だってさ、だってさ、いろいろいいじゃん!!!』
3人で騒ぎながら新しい席についた。
新しい席で気になるのは当然隣の子。今回は男子だ。うしろの男子と楽しくおしゃべりしてる。
咲樹とは席が離れてしまったけど、亜谷女とは結構近い。
・・・・なんて事を考えてたら、隣からトーンの低い声で何かを言われた。
「お前・・・怖いな」
『え?』
え、どうゆうこと?てか、「よろしく」は?
「目つきヤバイからー!ウケる〜〜!」
『初対面でソレですか?よろしくはないの?』
「よろしく。こわーーーい!」
よろしくはサラッとすませ、目つきトークが始まった。
『あんた名前は?』
「原田和樹お前・・・美樹だろ?」
『なんで知ってるの!?』
「周りの奴らがそー言ってるじゃん!アホか!」
『アホ?じゃぁ、あんたはバカだよ!』
「お前に美樹って名前はもったいない!俺があだ名をつけてやるよ!」
『え?本当に?』
何故か期待してしまう。
「お前目つき怖いから魔女!」
『はぁ?』
期待したアタシがバカだった・・・
「じゃ、これから魔女って呼ぶから!」
『もーだめだ・・・死ぬ』
「魔女でいいですか?」
いかにも、嫌味だ
『好きにして』
この事がキッカケでアタシの目はコンプレックスに変わってしまった。
今までは目がつってて、みんなに羨ましがられてた。
美人目だから羨ましいと・・・・
原田和樹のコンプレックスらしきものを探してみるけど・・・
顔は文句のつけどころがない。
手足も長く痩せている。
足なんか長すぎて制服のズボンが上がって靴下が丸見え。素肌が少し見える。
欠点と言ったら・・・
『天パ?』
これしかないが、アタシは天パの人が好き。いわゆる、天パフェチ?こんなアタシが天パと言ってからかう事はとてもじゃないけど出来ない。
「ねぇ、美樹」
『なに?亜谷女』
「原田くんと仲いいよね?」
『仲いいどころか、最悪だから』
「原田くんに惹かれたりしない?」
『ありえない!』
絶対ににありえない。
うちの性格は・・・・
ワガママ
自己中心的
気が強い
生意気
強情
2重人格
気取りや
最悪なパターンが固まってできた人間だ。そんなアタシが一目ぼれなんて死んでもない!
「でも原田くんっておもしろいからいいよね?」
今日の授業中、あいつの発言や行動で何回も皆の笑いをとっていた。
『まー、おもしろいのは認めるけど・・・』
「・・・っ言ってたよ!」
ハメられた
『だ・・・誰が?』
「美未が♪」
『え!美未が?意外だな・・・』
「なんで?」
『だって、美未彼氏いるもん。しかも、その彼氏にゾッコン!』
「本当に?美未が?」
『うん。付き合い始めたばっかだよ』
「そうなんだーー」