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愉快男の登場

「やぁ、おはよう。突然だけどー君、これから僕の養子ね。」

「今何時だと思ってるんだお前は。」

 時刻は朝2時、病院の3階の窓を玄関の扉のように開けた男が俺に話しかけてきた。しかも内容が養子とは意味不明だ。

「初対面にお前とは失礼だなぁ。まぁそれが君なんだろうけど。」

「それで? 養子ってどういうことだ?」

「ここの院長も君には手を焼いてるみたいでね、気づいてるでしょ君のその力。」

「この呪いのせいで10年ほどの生涯ずっとどこかしら怪我負ってんだよクソが。」

「呪い? 君のそれはれっきとした力だよ。まぁとりあえず僕がその力有効活用してやろうって言ってんだから大人しく養子になりなよ。」

「いつ有効活用なんて言ったんだよ。それで? どうやって有効活用する気だ?」

「君のその一日に一回は『厄』が襲ってくる力を使って金儲けをしようと思ってね。その厄を消せば僕は天からの褒賞として金がもらえる。僕は金が欲しいし君も一日一回の厄から必ず身を守れる。どうだい? 悪くないと思うんだけど。」

 だから力じゃねぇって。まぁそんなことはもういい。

「まぁ悪くはない。俺の安全が確定されてないところ以外はな。」

「ん? どうしてだい? 僕が君を守るんだ。死なないことだけは確実だし、怪我を負わせる気もないよ。」

「だとしたら、これから俺を守ってみせろよ。」

俺の影から厄が出てくる、今回はまぁまぁ大きめだ。

「グアアアアアアアアッ!!」

「おっと危ない、ところで君、名前は?」

「こんな時に聞くことかよ。ムガだよ。」

「オッケームガ、君は隠れてて。この厄は僕が消してあげるよ。」

なんだかよく分からないが今だけはこの男が言うことだけは信用しようと思った。

「そんじゃあいくよ。」

大きさ的には3メートルとちょっとくらいの厄を男は軽々と蹴飛ばした。病院の窓がパリィィィンと粉々になったと同時に男も飛んでいった厄の方向に向かっていった。

そこから先は戦場が遠くになったせいでよく見えなかったが、男の手から何か光のようなものが出ていることだけは分かった。数瞬後、厄は塵となって消え去った。そしてすぐに男は俺のところに来た。

「早速だったけど、どうだった? 信用には値するかな?」

「お前なんでこんなすぐに来れんだよここ3階だぞ。」

「まぁ、それは天パワーってことで納得してよ。」

「お前やっぱデタラメだな。」

「それが取り柄なもんで。」

「ところでお前名前は?」

「あーそういえば言ってなかったね。じゃあとりあえずデテで。」

「じゃあデテ、分かった。信用してやるから俺を養子にしろ。」

「養子で上から目線のやつ初めて見たわ。」

こんなおかしな男の養子になってしまったが、これで多分毎日の厄から身を守れる。

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