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今宵の殺意

作者: お針箱

私はヤモリ


毎晩お勝手のガラスに張り付いて


彼女の姿を眺めるのが日課となっている。



今夜も彼女はお勝手に立つ。


調理台のグラスの中身は 


セロリジュースとウォッカのカクテル。


夫お気に入りの 特性カクテルだ。


彼女はちょっと迷ってから


緑色のガラスの小瓶を手に取り


透明な液体を数滴 グラスにたらした。


マドラーでそっと混ぜる。 


ニヤッとしたその表情を 私は見逃さなかった。


もしや 今夜とうとう 実行に移すのか…



ハラハラする私の視線を横切って


彼女は夫の待つテーブルにゆっくりと近づいた。


目の前に置かれたグラスから


夫は静かにその液体を喉に流し込む。


一口飲むと 一瞬 表情を変えた。



苦しそうに喉をかきむしり


口から泡をふいて 椅子から崩れ落ちる



のかと思ったら



「美味しいねこれ いつもより酸味が効いてる。」


「わかるぅ? ちょっとレモン果汁をいれてみたの。」


そう言うと 緑色のガラスの小瓶を


漬物皿の隣に並べた。



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