霧が晴れる
詩のような、童話……
重苦しい
払いきれない程の
霧がわたしを包んでいた
眠くて眠くて
目が開けれない程の
重苦しい霧
それが
わたしを包んでいた
わたしは
王子様を待っているの?
いいえ
確かにわたしは眠り姫
でも茨の森の中
ただ眠っているのは
嫌なの
夢の中で戦っているの
それでは、駄目?
やはり王子様の口づけが無いと
駄目……?
重苦しい霧は晴れない
眠り姫は眠り続けている
朝陽が茨の森に差す時刻
王子様はやって来た
夢魔を追い払う
王子様
でも
接吻はしない
「姫、わたしは共に茨の道のりを歩む、そんな、存在を待っている」
「姫は、自分の力でその夢を破れる」
「私は、信じている」
王子様は、去った
姫は、起き上がる
涙で腫れた目を擦り
王子様が去った方を見る
「わたしだって、頑張れるわ!」
裸足のまま、寝台を降りた姫は
遙か遠くで待っているはずの王子様を追いかけた
わたしも、少し眠り過ぎました。
眠り姫でした。
眠り姫と共に、起きました。
今日から、また頑張ります。
ここまで、お読みくださり本当にありがとうございます。