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2/6

魔学生、嫌い。

001




「ねー、いい加減にはなしてくんない?」

「え?やだ。2年前のある日、学んだのよ。」


2年前…俺を放さない理由。あぁ、逃げたやつか。

2年前の今日、同じく皆で誕生日パーティーをしていて、同じく深鈴に連れ出され、放された瞬間、逃げたやつ。あれは傑作だった。


ズズズズズズッ


「深鈴さん。そろそろ、やめた方が…」


その通りです。ミクレさん…ウグッ…


「深鈴…のど…のどが死ぬ…息、いきがぁ…」

「ん?どうした?…あぁーーー!?兄ちゃん!大丈夫!」


深鈴がフードを引っ張って、いや、引っ張りすぎてライルの首に引っ掛かり、、、死にかけた。


「兄ちゃん!?大丈夫!?生きてる!?」

「生きてる生きてる。大丈夫。」

「兄ちゃん…死ぬかと思ったよぉ~」


お前が泣くな‼俺が死ぬかと思ったわ‼

ん、あぁ?何だ、あの、小学生は。魔法科学校の生徒か。あの目、俺嫌いなんだよなぁ。


「あ、ねぇ、見てよあれ。お姉さんを泣かせてるよ!お兄さんダッサ!」

「ねぇ、あれってさ、3年間ずっと休学中のライルっていう奴じゃない?何かどっかで見たことあるよぉ!」

「え!?マジで!!何それ、ズル休みってこと?うわぁ、ウケる!!」


ライルたちの横を、──ヒソヒソ話すような格好をとっているけど、全部会話聴こえてる。──二人組の少女が通っていった。

お前らは知らないのか?俺がこの国を救ったのを……実際、神様が女神を止めて一件落着っていう形なんだけど。

俺はこれでも、お前らより大人だし、俺はお前らの、『しあわせぇ~』を守る、土台なんだぞ。お前らを守ってるんだからな。もうちょっと尊敬しろ。


「お兄ちゃん?どうかしたの?あぁ、あの魔学生ね。そう言えば、ここを通るのを心底嫌って、いつも避けるようにして他の道を通っていたのは、あれに会いたくなかったんだね。」


うん。あってる。あってるけど、無駄に長いんだよ…なんの説明?


「そうだったんですね。ライルさん。そうとは気付かず…すみません。」

「あ、いや、3年間も言っていなかった俺が悪いんだ…」


て言うか、何で、ミクレが謝ってんの?ここは、深鈴が謝るべきところじゃないのか?


「ライル…あいつらの、言っていることなんか気にすんな。な?お前は正真正銘の、コドモダケド、勇者なんだからな!あんな!ガキと自分を比べるなよ!」


ん、んんん?何か、聞こえたんだけどなぁ。ま、気にしないでおこう。


「あぁ、うん。」


見た目が、子供なのはちょっとあれなんだけど。これでも動きやすくていいから、子供ってことは気にしないつもりだったのになあ。

子供ってのは嫌さ。特に女子。男子もそういうとこあるけど。

すぐ、くだらないことで、人の悪い噂をつくって、それを広めるんだ。それも、瞬間的な早さで広まるから、どういう連絡網持ってんだって思うけど。そこは、長所なんだから、長所を広めろよ。噂じゃなくてよ。


「……」



「な、何か、空気重くなっちゃったね。今日は、これでご飯にして、夕方は近くの町に観光でも行かない?」

「観光か、ま、たまにはいいんじゃない?深鈴が、レベル上げ、レベル上げって言って、いつもレベル上げじゃ、つまらないからな。」

「お兄ちゃん?そんなにレベル上げ嫌なら、カンストするくらいまで一気に上げちゃったら?」


あ、すいません。無理です。すいません、やります。地道にやります。はい。


「と言うことで、3年ぶりの、観光!!どこに行く?ミクレ!」

「え、わ、私ですか?じゃあ、深鈴さんの行きたいところで…」

「えー!?それじゃあ意味ない──」


深鈴が、ミクレに文句をいいながら、王都に向かって歩いていく。


3年間もずっとここで、レベル上げ、休んで、レベル上げ……ってやっていたのか。


お昼時か。太陽がギラギラと…暑苦しい。

太陽……そう言えば、ニト…今どこにいるんだ……




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