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番外編 どんな時代もみんながいれば

 私、リリアナ・ローズ。

 そんな私の夢の思い出話に、付き合ってほしい。

 この前、懐かしいような、新しい夢を見たの。それはね……。


「リリアナッ、大変だ」

「なあに、アラン」


 揺り起こされて目を覚ます。

 私たちは、若かりし姿のまま、そこにいた。

 そしてなぜか私が昔過ごした「日本」にいた。

 ああ、これは夢なのだと、すぐに分かった。

 アランの髪も私の髪も日本人めいたものに変わっていた。

 茶髪のアランに、黒髪の私は、とても違和感があった。


「ここは、別の世界ね」

「何でそんなに冷静なの、リリアナ」


 それはこれが夢だと確信しているから、と言えば楽しくないわね。


「私の魔法で、日本に来たの」

「ええ……? にほん? とは」


 動揺するアラン。

 ああ、そうだ。これが夢なら、昔のレイラやエディ、メル。ヴァイオレットも呼べるのかも。

 そう思い、念じるとポンポンとみんなが現れた。

 当り前のようにカラフルな髪は日本仕様に。

 黒髪のレイラは清楚系だし、エディはいかにも運動できますって感じね。


「なんだよ、急に」

「エディ達と、日本を楽しみたくて」

「どこだかわからないけどいいですね。あたしは楽しみです」

「タピオカ飲まない? レイラ」

「なんです、タピオカって」

「ふぅん、楽しそうな場所にきたね」

「メルは好奇心の塊ね。ワクワクが顔に出てる」

「そりゃーね?」

「……まあ、何事も楽しむが貴女だ」

「ヴァイオレットも、わかってるわね」


 そして、私は気づく。

 看板が立っているということに。


「平成→……ナニコレ?」


 私はその看板のほうを向く。

 すると、そこには見慣れない名前の看板がドカンと置いてあった。


「令和? ナニコレ。聞いたことない名前ね。もしかして、新年号?」

「リリアナ、何の話をしてるんだ?」

「そう……転生しているうちに、あっちは新年号に。それで夢にその通知が来たのね、きっと」

「……? リリアナ?」

「アランは何も気にしないで。うん、新年号になっても、私は悪役令嬢を楽しみたい! そうね、何事も楽しくいきましょう」


 そう呟いた瞬間、私は目を覚ました。


「令和……」

「何を言ってるの、リリアナ」

「……大きなアラン」

「本当に何を言ってるの、リリアナ」


 大人の姿になったアランに、私は笑う。


「楽しい夢を見ていたの」

「……なら、いいけど」

「アランも、皆も、そばにいたのよ」

「それは当然だね」

「もちろん、皆がいるから楽しいんだものね」


 くすくすと、アランと二人向かい合い笑う。

 どんな時代も、私はきっとみんながいれば楽しめるから……。

 そう、皆がいれば。



令和になったので、記念に久しぶりに皆を書いてみました。

夢でタイムスリップネタで、また気まぐれに番外編を書いてみたいですね♪

令和も、よろしくお願いします!

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