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番外編 リリアナの夢
それは、私が前世にいた時の夢。
私はまだ「別の人間」で。アランに出会うとか、そんなこと思ってもみなかった。
でも、昔見た夢は覚えている。
「待っているよ、リリアナ」
何度か見知らぬ美青年に、こう私は告げられて私は育った。
そう、それはアランだと今ならわかる。
この出会いは、小さなころからの運命だったのだと。
……こんなことを、話したらアランは笑うだろうか。
「ねぇ、アラン」
「リリアナ?」
「運命って、信じる?」
あたしはアランを見てささやいた。
「当然だよ」
アランはそう言ってあたしを抱きしめた。
あたしは今、子供にも恵まれ、国民にも恵まれ笑っている。
それはきっと……永遠に。
新連載始めました!
新しい悪役令嬢のお話です。
よろしくお願いします!




