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生物戦争  作者: ニトロ
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月下の号砲

 驚いた織部は締めかけていた窓を全開まで開け、鼻を動かす。やはり、硫黄の臭いがする。


「あのトカゲ…!『パリ』が攻めて来たって事か!?」


 そう言う間にも風に乗って硫黄の臭いがしている。間違いなく、今日の朝に嗅いだ『パリ』からした異臭だ。

 この相模川河口を中心として半円状に広がる人類居住区域は森と居住区域を隔てる柵から3kmを縄張りとしている。いや、『新生物』からは縄張りと認識されている。それを侵略するという事は攻撃しに来ている事に他ならない。


(不味いぞ、他の『新生物』なら柵を壊して攻撃するから皆気づいて迎撃するが、パリには遠距離攻撃がある…!)


 もし、あの黒槍の砲弾が人類居住区域内に落ちれば確実に死人が出る。その砲弾は今にも自分へ飛んでくるのかわからない。

 さらに『パリ』は目撃情報が少なく、知られていない。硫黄の臭いがしたから砲撃が来る、などとは万に一つでも想像できるだろうか?今、事態を把握し速急に対処できるのは織部班だけ。


(どうする?!パリを止めにいかないと誰か死ぬ、止めに行くのは…俺一人じゃ無理だ…でもあいつらを巻き込むのは…)


 織部の思考の中でおそらく一番マシな案は『織部班でパリ討伐に向かう』だった。それはかなり危ない手段であり、班員を死なせる危険性が大いにあった。

 織部の『班員は死なせない』という信条は、戦いに行く限り危険はあるがそれでも死なせない、という意味合いでわざわざ危険に首を突っ込むという事はしない。それでも行動を起こさなければ死者が出る、それは自分や仲間かもしれない。


(俺はどうするべきだ?)


 思考はぐるぐる渦を巻く。どうしても結論いや、決断が出来ない。苛立ちで握っていた窓のフレームが曲がりそうな時だった。


  『もしもーし!空士!聞こえる?!』


 テーブルの充電器に繋いだインカムが宮垣の声を伝える。織部は急いでインカムを取り、応答する。


「一葉、お前も気づいたのか?!」


『ええ、散歩してたら偶然』


 今は走っているのか、耳をすますとタッ、タッ、タッと音が聞こえる。


『で、どうするの?たぶん今、対処できるのは私たちだけよ』


 投げかけられた言葉に織部は返答出来ない。結論を出そうとしてもやはり結果は同じだった。数秒押し黙っているとインカムから次の言葉がかかる。


『どうしたいの?』


「…………『パリ』を討ちに行きたい…」


 絞り出した言葉も決断したのではなく、消去法の中で恐らく最善を選んだなすぎなかった。

 そんな答えでも宮垣は、


『それなら、すぐ行きましょ』


  気楽そうに返した。織部は一瞬、思考が真っ白になるくらい驚いた。今まで班員の事を考え、苦悩してきたというのに、当の班員が不安そうなそぶりもなく、すっぱり答えたのだ。


「嫌じゃないのか…?」


 この言葉を織部が発したあと、宮垣の足が止まり、大きくため息をつく。


「嫌な訳ないでしょ?織部班、結構長い付き合いよ?それにあんたのことだから、どうせわたしたちを心配してんたんでしょ、でも私、そこまで考えてもらうほどヤワじゃないわ。勿論、霞と龍二もね」


 さっきまでの織部の思考は全て必要なくなった。自分勝手な杞憂は無駄になった。どうやら結論は自分以外、全員出ていたようだ。


「ごめん、一葉。……あと、ありがとな」


「さぁ、班長さん、これからどうするの?」


 一切の迷いを捨て、織部はこう指示した。


「今から5分後に女子寮に向かうから、霞をたたき起こして、戦闘準備を整えろ。龍二は俺が連れてくる。これから『パリ』を討ちに行くぞ!」


 ♦♦♦♦♦


 部屋で布団に入る直前の近江に連絡して起こした織部は自分も日本刀を持って部屋を飛び出した。近江と共に『パリ』を発見した西の森に近い女子寮に着くと、もう宮垣と花風は待っていた。

 『パリ』の場所は臭いでわかる。進化したのは腕力や視力だけではなく、嗅覚もだ。ただし、硫黄の臭いなので、気分は最悪である。織部班は走りながら、作戦を決めていく。悠長にしていられる時間はない。


「今回の作戦は俺が『パリ』を引きつけるからその間に龍二と一葉は攻撃、霞も隙があれば、どんどん撃て」

 

「空士、一人は危ない、僕も一緒にアイツを引きつける」


 心配してする近江をよそに、織部は少し笑って言った。 


「俺、実は秘策があるんだよな」


 そうこうしている内に人間という生物とそれ以外の生物を区切る柵が見えてくる。柵には一定間隔で簡易的な見張り台が立っており、二人一組で見張りに当たる。見張りもどうやら、辺りに突如漂い始めた不快な香りに首をかしげているようだった。

 織部は一人、素早く梯子を上り、見張りに話しかける。


「今、遠距離攻撃ができる『パリ』と言うトカゲ型の『新生物』が攻めてきてます!この硫黄の臭いもそいつのせいです。俺たちが食い止めている間に増援をお願いします」


 こうは言ったものの、織部は特段期待していない。増援を呼ぶ案は見張り台を見てから思いついたので、要はダメ元、というやつだ。


「おい君!許可はとったのか!」


 見張りの兵士に手助けをしてもらわないのも、増援を期待していないのも、柵の外に出るのは許可が必要だからだ。これは軍規で絶対なので、兵士は付いて行こうと思わないだろうし、増援も手続きが間に合わないだろう。

 軍規は大切だと考える織部も、『今は緊急事態の為、致し方ない』と割り切り、見張り台から飛び降り、『新生物』の領域に踏み出す。

 班員は見張り台には上がらず、柵を超えて、織部と合流する。


 硫黄臭を追って、西の森を駆けること数分、『パリ』の姿を視認した。


「やっぱり、生えてるよな…」


 月光に照らされた『パリ』の姿は良く見える。今朝『パリ』は尻尾の槍を射出したばかり、もしかしたら黒い槍はないかもしれない。しかし、その考えは月光によって黒光りする槍が再びあることを確認すると馬鹿らしいことに思えた。


(そもそも、自分の体が万全じゃないのに、攻めに来る訳がねえよな)


 織部は思考を切り替えた。頼れるのは自分と班員のみ。偶然は期待してはならない。

 振り返り、緊張した面持ちの近江、宮垣、花風を見て、織部が一つ頷くと皆も頷き返す。


「では、これより織部班は『パリ』討伐任務を開始する!作戦通りに動け!」


 班長の織部が宣言すると、霞は横に逸れて狙撃ポイントの確保へ、織部は『パリ』の気を引きつける為に、先行する。


「殺しにきたぞ、トカゲ野郎!」


 開戦の雄叫びを上げると同時に『パリ』の右後ろ足に太刀が浴びせられる。

 切られた事に気付いた『パリ』は背後から襲いかかった敵を殺すため、胴体以上に長い尻尾を地面スレスレで薙ぎ払う。当然、織部は飛び越え、体勢を変えたパリと睨み合う。

 ゆっくりと持ち上げられた尻尾はゆらり、ゆらりと『パリ』の頭上で敵を串刺しにする角度を狙っている。

 攻撃は前触れなく始まる。黒い槍が織部を追いかけ、三回連続で地面を穿つ。納刀し、避ける事に専念した織部はバックステップでかすりもせずに回避する。

 三回目の黒い槍の突きを躱し、槍が地面から抜けた時だった。突如、柔軟な尻尾が向きを変え、黒い槍が浅い角度で織部の脇腹を刺そうとする。

 『新生物』はその体の巨大化に伴い、脳も多少巨大化し、軽い思考ならできるようになっていた。なので、この瞬間『パリ』は『確実に殺した』と考えた。だが、それは不自然・・・な速さで動いた織部に避けられていた。


「作戦成功!案外上手く行くものだな…!」


 笑みを浮かべながらも織部は臨戦態勢を解かない。黒槍がまた『パリ』の直上に上がり、攻撃しようとしているときに右から炎が飛び込んでくる。追いついた近江は燃える大剣で右足を斬りつけ、炎と赤い血を地面に落とす。これで、パリの右足はタンパク質の硬化により機動力が低下したはずだ。

 反撃の間を生まぬように、次は宮垣が飛び込む。今は二丁のハンドガンではなく、一丁のアサルトライフルだ。ハンドガンも一応は持っているが、一体だけが相手だとライフルの方が都合がいい。マズルフラッシュが夜の森に光り、宮垣の姿が断続的に見える。弾丸は全弾『パリ』に命中、痛みなのか、標的を宮垣に変える。


「させるか。相手はこっちだ!」


  宮垣の方に体を向けたパリは負傷した右足を織部に晒す。そこを容赦なく切りつけ、気を向けさせる。標的を織部に戻した『パリ』は黒い槍の突き出しの後に噛みつく。この噛みつきで『パリ』は『今度こそ殺した』と確信した。しかしまたしても織部は不自然・・・な速さで、迫る大口を避けたのだ。

 この動きの理論は簡単で、織部の超能力は風をおこす事。それを手からではなく足から瞬間的に放出、そうすることで一歩だけだが加速することができ、『一瞬だけ早い』つまり不自然な速さの移動ができるようになる。これを考案したのは『パリ』討伐を決めてのことで、訓練も何もしてこなかったが成功したのだ。


 自分では理解できない事態が重なった為、『パリ』は硬直してしまう。なまじ考えられる脳があるのが裏目に出たのだ。そこに発砲音が鳴り、『パリ』の首を弾丸が貫く。透視能力を利用した、木の葉の奥からの花風の狙撃である。

 致命傷には至らなかったが相当痛かったのか、身を激しく捩る。できた隙を逃さず、織部達は一斉攻撃を仕掛ける。

 今のところ作戦は順調に進んでいるように思われたが一つ、織部には気がかりなことがあった。

 巨大な『新生物』、『パリ』ほどの大きさになると心臓から送り出される血液がかなり速くなり、一度血管を損傷すれば大量に血が噴き出るはずなのだが、


(血が少なすぎる……この大きさならもっと出血があっていいはずだ)


 織部は決定打が欲しかった。織部は即席ながらに編み出した風による加速で『パリ』の黒い槍による攻撃は避けられているが、ギリギリで避けている分、体力がなくなれば一巻の終わりだ。そして恐ろしいのが硫黄の毒性だ、長時間吸うのはどうなるかわからない。先ほどまでしていた硫黄の臭いがしなくなってきている。嗅覚が麻痺しているのだ。


「決定打……こいつを一気に殺せる一撃を……」


 黒い槍をバク転で避けた後は苦い顔で呟く。次の『パリ』の動向をうかがっていた織部は背筋に悪寒が走った。『パリ』の体と尻尾の付け根が肥大化してきたのだ。つまり、


「砲撃がくる!龍二と一葉は一旦散開しろ!」


 指示を出した織部は砲撃の準備に入る『パリ』の周りを複雑なステップで動き、翻弄する。それに合わせて『パリ』の黒い槍は動く。織部はこのまま動き続け、黒い槍の発射直前で能力による加速で躱そうと思っていた。黒い槍との距離は3~4m、膨らみは槍と尻尾の結合部まで上り、なお大きくなっている。足に力を込め、能力を発動しようとしたとき、銃声が鳴る。槍と尻尾の付け根に弾丸が直撃。黒い槍は織部から標準を外し、弾丸の飛来した方向に向けられる。


 大砲のような轟音が夜の森に響いた。月明りを受けながら黒い槍は砲弾と化し、木の葉の奥、狙撃手である花風を目指す。そして、木の枝が裂ける音。見えないが、おそらく花風の狙撃ポイントになっていた枝を直撃しただろう。織部が花風に応答をとる前に


『こちら花風、無事ですのでそのまま戦闘を続けてください!』


 花風から連絡がきた。


「馬鹿野郎、無茶するな!」


 身を挺して砲撃を逸らしてくれた感謝よりも無謀なことした怒りが勝った結果だった。


『そんなことよりも『パリ』はどうなってますか?!今がチャンスなのでは!?』


 言われて織部は黒い槍の飛んで行った方向から振り返り、『パリ』を見た。予想では黒い槍を射出し、無くなったため、戦闘能力が大幅に低下しているはずだ。

 『黒い槍が無くなっている』この予想は半分正解、半分不正解だった。黒い槍が再び生え始めているのだ。それもメキメキと猛烈なスピードで。

 砲撃を避けるために散開していたが、再び集まった近江と宮垣は唖然としていた。

  さらに、近くで見ていた織部はあることに気付いた。黒い槍が生成され、元の形に戻っていくに連れて『パリ』の体が全体的に少しずつだが、小さくなっていく。織部はこの現象にすぐ予想がついた。


(こいつは黒い槍を生成するためのモノを、体の表面に脂肪のようにして蓄えていたんだ。切っても血が出ないのはそれが盾になっていたからか)


 ならば盾が黒い槍に変わった今、真に『パリ』を切ることができる。そう確信し、抜刀したところで『パリ』も槍が完全に生え、黒い槍による突きを繰り出す。だが、それは今までより、鋭く、速くなっていた。


「うおッ!?速い!」


 ギリギリで織部は避けたが攻撃はまだまだ続く。『パリ』の攻撃が速くなったのは偏に脂肪を槍に変え、身軽になったからである。織部も風の加速を使って避けようとするが、いくつかの攻撃が皮膚を切り裂く。痛みに呻く暇も与えず、黒い槍は猛威を振るう。一度、全力で離脱し、距離をとって態勢を整える。


「私たちも一緒に引きつけるわ、もうあんただけじゃ対処できない」


 横に宮垣と近江が並ぶ。『パリ』は追撃はせずに舌を出し入れし、様子を見ている。


「そうは言っても、俺が避けられなかったんだぞ?」


 この織部班の中では織部が最も回避能力に優れている。織部は言わなかったが二人が戦っても早々に黒い槍に体を貫かれるだけだ。


「じゃあ、どうしろって言うの?!」


 宮垣の言葉も一理あった。織部一人でも遅かれ早かれやられてしまうだろう。ここで打開案を出したのはここから離れた場所にいる花風だった。


『あのう、一つ賭けみたいな作戦があるんですが……』


「話してみろ。……手短に!」


 話の最中に『パリ』が突進してきたのだ。織部も突撃し、黒い槍と刃を交わす。もう、避けるのではなく止めに行く。


『恐らく、『パリ』の尻尾は空洞で中には硫黄を成分に含む火薬らしきものが入っています。尻尾の付け根には発火器官があり、それが火薬に火をつけ、柔軟性の高い尻尾の中で爆発、それが黒い槍を押し出しているものと考えられます』


 黒い槍は極力、刀で捌き、直撃するような攻撃は風のブーストで切り傷程度にとどめる。結論を言え!、と織部は叫びたかったがそんな暇はどこにもない。


『作戦としては空士が『パリ』の尻尾の中に手を突っ込み、中の火薬を能力で集め、それを『パリ』にぶつけて着火、爆発で敵を倒します』


 刀で捌く事も難しくなったので織部は再び離脱。花風の作戦を頭の中でシミュレーションする。


(冗談かよ。……でも霞の仮説があっていれば不可能な作戦じゃない。何より、これ以外の作戦がないのが事実……!)


「今より、霞考案の作戦を開始する。いいな?」


 インカムにより、霞の言葉は班員全員に伝わっている。


『わかった、やろう。僕が囮になって黒い槍を抑え込むから、空士はその内に頼むよ』


『じゃあ、私は龍二のサポートをするわ』


『尻尾には私が撃った弾丸が突き刺さっているはずです。そこから切り裂いてください』


 織部は確認をとってからするまでもなかった、と少し笑う。


「霞考案の作戦開始!」


 叫んでから織部は日本刀を鞘に納め、サバイバルナイフを取り出す。普段は使わないが、敵に密着する際は取り回しが良い方がいい。

 近江と宮垣は二人でカバーしながら、どうにか黒い槍の攻撃を防ぎ、より一層深く地面に突き刺さった瞬間に近江が抑えにかかる。


「空士!」


「おう!」


 名を呼ばれるまでもなく、すでに走り出している。跳躍し、抑えられ動けない尻尾に、めり込んだ弾丸を見つける。霞が撃ち込んだ弾丸を跳躍の勢いのままナイフで押し込む。その後はナイフで手が入るくらいの穴を切って作る。その時、熱い空気が噴出した。一瞬躊躇いが生まれたが、刹那にそれは過ぎ去り、尻尾の中に手を突っ込む。


「熱いぃぃ…!」


 織部は薄手のグローブをしていたが、それでも火傷しそうになるほど、尻尾の中が高温だが、歯を食いしばって堪え、能力を発動、手に火薬を集める。風の流れは球体のように、手元に集結させる。

 ここで『パリ』が動き始める。近江の力を押しのけ、地面から黒い槍を引き抜いたのだ。だが、近江の作った時間は十分だった。暴れる尻尾から飛び降りた織部の手には風で制御された黒い球があった。それはよく見てみると黒い粉が渦巻いていた。


 それを腕を地面と水平に持ち上げ、口を開き、突進する『パリ』に向かって浴びせかける。時計回りに渦を巻く黒い粉はほとんどが『パリ』の口に入って行く。


「終わりだ」


 一つ銃声がする。それは宮垣のハンドガンから放たれた小型焼夷弾。『パリ』の口内に当たると発火、黒い粉--火薬は大爆発を起こす。


 赤い爆炎に包まれ、『パリ』は身をのけ反らせる。体内に入った火薬にも引火、内側から炎で貫かれる。上顎と下顎は首のあたりまで裂け、体のほとんどは黒くなっていた。

 織部は爆発に驚かず、爆風にも後ずさりせず、それを見ていた。ただし、目を塞いでいなかったので、炎の光でほとんど『パリ』は見えなかったが、絶命したのは分かった。


「任務完了。俺たちの勝ちだ」


 まだ体の燃え続ける『パリ』を見て宣言した。班員たちの疲れ切っているが嬉しそうな声がインカムをしている耳だけ聞こえる。

 決死の覚悟で挑んだこの戦いに勝った事、そして来ると思っていなかった援軍(討伐した今では遅いが)の声がインカムを通して聞こえたことが織部を安堵させた。よろつくことなどせず、そのまま後ろ向きに倒れる。戦闘中、自分たちと『パリ』を照らしてくれていた月と星を見ると、スイッチを切るように織部の意識は落ちて行った。

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