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君と僕とプロローグと

俺は考える。

「時間」ということについて。

そもそも「時間」とは何か?

人間が作り出した概念?

何かのエネルギー?

神が俺たちに与えてくれた?

そんなことはだれにも分からないし、これから分かることもないのだろう。


しかし、俺たちの生活は時間の上で成り立っている。

時間というもの自体が存在しなければ、俺たちは生きて入れるのだろうか?

身体的には、何の問題もないかもしれない。

でも、それ以外のところでは?

「時間が存在しない」という事態は、俺たちにどんな影響を及ぼすのか。

そんなことはだれにも分からないし、これから分かることもないのだろう。


時間が存在する前は?

「無」だったのか?

そもそも「無」とはなんなのだろう。

「無」とは存在しないことであり、「無」が存在することはありえないのではないか。


時間はいつ生まれたのだろう?

宇宙が生まれた時?

地球が生まれた時?

時間が生まれる前は、時間は存在しなかったのか?

そうなのだろうが、そうではないのだろう。


俺たちにとって神にも等しい「時間」

これを思いのままに操ることができたら?

その者は神となるのか?

そんなことはだれにも分からないし、これから分かることもないのだろう。





「時間」を操ることなど、何人たりともできはしないのだから…………

































暑い。

今は7月。

夏真っ盛りなのだ。

当然か。

クラスメイトは学校で、勉強に、部活に、そして青春に精を出しているであろう。

なのに俺は部屋で、ネットに、アニメに、そしてオ〇ニーに精(子)を出していた。

なんで俺がこんな自堕落な生活をしているか。

それを説明するためには、まず自己紹介をする必要があるだろう。


俺の名前は藤島真太郎ふじしましんたろう

私立石神学園に通っていた17歳だ。

え?なぜ過去形かって?

それはもちろん、俺が不登校だからさ。

小学校、そして中学校でもずっと陰キャラだった俺は、高校デビューなどできるはずもなく徐々に学校に行かなくなっていった。

もちろん、親には悪いと思っている。

でも正直、高校に行こうが行かまいが俺の自由だと思っている。

だって、俺の人生なんだからな!


そんなことを考えていると、玄関からチャイムが鳴った。

「はーい」

お袋が対応したみたいだ。

ちなみに親父は、仕事中。

「あらぁ! いつもありがとねぇー。ちょっと真ちゃん、降りてきなさーい」

お袋が呼んでるみたいだ。

ったく。だりいなぁ。

俺を訪ねてくるなんて、「アイツ」位のもんだろ。




「ちっす。 調子はどうだい?」

「やっぱお前かよ・・・」

そこにいたのは、俺の幼馴染であり同級生の雪野里ゆきのさと

ちなみに同じ高校に通っている。

不登校の俺のために、課題やらプリントやらを持ってきてくれているのだ。

どうせやることはないんだが、その優しさは正直うれしい。

実際こいつが唯一の友達みたいな感じだしな。


改めて里を見つめる。

学校で指定されている、白のブラウスに空色のスカート。

「the・大和撫子」って感じの腰まで伸びた黒髪。

身長は大体160㎝位。

胸もそこそこある。

C~Dくらいはありそうだ。

ていうか……


「ちょっと、じろじろ見ないでよ。恥ずかしいじゃない」

俺ははっと視線をそらす。

言えない。

黒のブラが透けてるよなんて。










「それじゃ、私はこの辺で………」

「もっとゆっくりしていっていいのよ?」

「いえ、明日の予習があるので」

「さすが偉いわねぇ。」

そういいながら、俺のほうをちらっと見るお袋。

そして、あさっての方向を見つめる俺。

それを見て笑う里。

いつも通りだ。


「それじゃ。明日も来るからね!」

「ああ」

里の背中がどんどん遠くへ行ってしまう。

寂しいが、また明日も来てくれるんだろうな。





晩飯を食べていたら、お袋が突然

「アンタ、里ちゃんと付き合っちゃいなさいよ」

ブフォ!

味噌汁吹き出しちまったじゃねねーか!

いきなり何言ってんだよ!

「だって、里ちゃんって美人でスタイルも性格もいいじゃない。

なんであんたみたいなのに優しくしてくれるんだろうねぇ」

あんたみたいなのって。

一応息子だぞ。

「あんたは里ちゃんのこと、どう思ってるんだい?」

「いや、俺は……」

「好きなんだろう?」

「っ…!なわけねーだろ!」

飯の途中にもかかわらず、部屋に戻る俺。




「さすが思春期ねぇ………」








「なんなんだよクソッ!」

イラつきながらテレビをつける。

あれ?なんで俺こんなにイラついてんだろ?


テレビではニュースが流れていた。

「また遺体が発見されました。

今度の遺体は、眼球が抜き去られており……」

「おっかねえなぁ」

ここ数日、猟奇的な事件が世間を騒がせている。

すでに3人が被害にあっていて、これが4人目ってわけだ。

結構ネットでも祭りになっていたりする。

「警察はこれらがすべて同一犯であるとの見方を強め……」

プチン!

鮮やかな色彩から、黒に染まる画面。


「寝るか」

布団に体をうずめながら眠りにつく。






…この日常がもろくも崩れ去ることなど知る由もなく。


感想等お待ちしております。

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