第一弾「あなたならどう書く?」回答③
今回は2000文字以上の大作が送られてきました。
投稿ありがとうございます。
エントリー者:デョさん
投稿内容:
キャラ設定
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一人目…変更無し。
追加点
テラを連れ出した理由を追加補足。
テラの父親によって傷ついたテラを癒し、元気付ける為に連れ出した。
テラの父親からテラとテラの婚約者の仲を取り持つよう頼まれたが断っている。
二人目…変更無し
追加点
『自称』を強調する為にサブジョブに『車夫』他数点を追加
婚約者の存在を追加
婚約者の名前は『カオル・サワ・イオリ』
傷心の経緯を追加
愛する『エリザベート』は父の手によってバラバラに引き裂かれた。
会った事も無い婚約者との体面の為に。
傷ついたテラを連れ出したのはアース。
だが父は更にテラを傷つけようとする。
散々になぶり傷物にした癖に用済みになったと言って『スーザンヌ』を邸から追い出した。
動く理由が出来た。
傷ついた『エリザベート』と『スーザンヌ』を必ず治療する。
父の決めた婚約など従えない。
そして二人と必ず結婚するのだと…。
三人目
追加点
得意な魔法を召喚魔法に仮定。
アース同様、テラの父親からテラの事を頼まれている。
ダメモトだが成功したら報酬は貰う積りでいる。
三人以外の追加点
同行車に『スーザンヌ』の名前を追加。
②③
馬車を置いていこうとするアース
ごねるテラ
最終的にはアクアの召喚魔法で解決。
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「置いていこう…」
残酷な決断。
理性ではそれが正しいと分かっている。
「駄目だ…。
僕には『スーザンヌ』を置いていく事は出来ない…!
お願いだ…。
『スーザンヌ』に戦う力は無いんだ!」
この辺りにはゴブリンやオークが出る。
自力で身を守る術を持たない『スーザンヌ』は奴等にあっという間に汚され、ボロボロにされ、最後は奴等の糧にされるだろう。
それがテラの主張だ。
対してアースは…
「見ろ。
完全に折れてる。
動かせばもっと酷くなる。
そろでもお前は連れていくというのか?」
アースが指差したのは車輪のスポーク。
『スーザンヌ』はテラの親父さんから下げ渡された馬車だ。
アースはいつも思う。
『こいつの性癖(車両愛)なんとかならね?』と…。
そもそも連れ出した理由も馬車だ。
テラが設計し、テラが組み立てたテラの最愛(理想)。
それが『エリザベート』だ。
黒光る重金属の車体を撫でながら『パンキッシュだろ?けっこうツンデレなんだ』と頬染めながら言われた時は寒気がした。
牽引用の手すりを磨きながら『震えてる…。我慢しなくて良いんだよ?』等と言い出した時はおぞけすらした。
正直言って『現を抜かしてないで婚約者を大事にしろ!』と『エリザベート』を素手で破壊した親父さんの主張は今でも間違ってないと思う。
でも重金属って戦略級の攻撃魔法にすら耐える代物だろ?
素手で壊すなよ…。
この際だから言っておくか…。
「なあ、親父さんの事、許してやれよ。
確かに『エリザベート』に酷い事をしたんだと思う。
けどお前が婚約者の…えっとサワさんだっけ?
大事にしてやればそんな事にはならなかったんだろ?」
親父さんが偉くべた褒めしてたな。
『物静かな色白美人』つってったかな?
『はくせきの美貌』っつわれても字面が分かんねえよ。
「それでも僕は父を許せない…!
会った事も無い婚約者なんて知るもんか!
僕は必ず『エリザベート』と『スーザンヌ』を治療して二人を迎え入れる!」
そう、こいつは旅を始めてから『エリザベート』だけでは無く『スーザンヌ』までその懐に迎えようとしてやがる。
そう言やこいつと『スーザンヌ』はどういう関係なんだ?
「なあ、『スーザンヌ』はお前にとってなんだ?」
こういうのは聞いた方がスッキリするってもんだ。
「この娘、『スーザンヌ』は僕の幼友達なんだ。
まだ貧乏だった頃の家に来てくれて…。
この肌見てごらん?
何の飾り気も無い純朴な娘なんだ。
けどあの父はその日の内にこの娘を汚した…!」
ナンダロウ?
コノ友人ガ良ク分カラナイ…
「当時はまだ子供だったから分からなかった!
なんでこんな酷い事をするのかと何度も問い質した!」
そう言や親父さん物に当たる人だったな…。
けどその解釈は無え。
「なのに父は『スーザンヌ』が何も言わずに耐えてるのをいいことに『理解出来ない』と…。
僕には父が分からない!!」
安心シロ。俺モオ前ガ分カラナイ。
「あ、ゴブリン」
警戒をしていたアクアの声。
ィヨシ!
これで不毛な会話から抜けれる。
アクアの指した方を見れば爪先立ちで仰け反りながら左右の手に持った黄金の扇子で交互に股間を隠しながらにじり寄るゴブリンの群れ。
始めて見る行動だ、油断出来ねえ!
すかさず剣を構え…。
「ごめん、借りるよ、『スーザンヌ』!
【フゥウウルァヰィイングぅウウ!フゥオゥヰィイルゥウウ!!】」
よく分からない外国語でスキル名を唱えたテラの投げた車輪がうねり輝きながらゴブリンの群れを切り裂いた!
「有難う『スーザンヌ』。
助かったよ」
投げた筈の車輪はシュルシュルと音をたてながらテラの手元に戻った。
仕事しろや物理法則(一般常識)!
そんなんだからこいつが『社交界の奇行師』なんて呼ばれる行動するんだよ!
「ってか自称とはいえ剣士なんだから剣で戦えよ!」
「何を言うんです。
僕は剣士です。
そして剣士が使うならそれは剣です。
『弘法筆を選ばず』です」
「そんなんだから自称が取れねぇんだよ!」
テラのステータスプレートを見るとサブジョブは車夫…って
「オイ、サブジョブ増えてんぞ。
『牽引者』に『轣殺王』…。
どう見ても剣士のジョブじゃ無えよ」
「さっきから聞いてたんだけどさ?」
「おうアクア。
なんか良いアイデアでも有るんか?」
そしてこの逸般常識の世界から救いだしてくれ!
「車輪の代わり召喚しようか?」
「お、良いねぇ。
何を召喚するんだ?」
「座天使」
「貴女は『スーザンヌ』を殺す積りですか!?
弱った『スーザンヌ』の身体では座天使の出力に耐えられる訳無いでしょうに!」
それ以前にバチ当たらね?
「神の使いに車輪の真似事なんて不味くね?」
車軸にしがみついて転がる天使ってえらくシュールな絵面だな。
『The☆天使』っつうぐらいだからさぞ天使っぽいんだろうしさ。
「座天使は元から車輪だから真似事ではなく本職です」
そんなもんかねぇ?
「じゃあもっと穏便なのを呼ぶよ。
『お出でませ、毛脛さん』!」
アクアの魔力がホイッスルのような音をたて馬車の下面に魔方陣を画く。
光りが強くなる度に魔方陣から響く『ワッセイ!』の声と祭り囃子。
一体何が出て来るんだ?
やがて光りが世界を染め上げ…
そして弾けた。
馬車の下面から次々と『毛深い脛毛に包まれた無数の脚』が生えてくる!
「さあ、行くよ!
『毛脛さん、出発(しゅっぱ〜つ)』!」
馬車が動き出す。
ってヤバい、置いてかれるぞ!
「テラ、行くぞ!」
「…『スーザンヌ』が汚された…」
「だったら何も言わず迎えてやってピッカピカに磨いてやれよ。
それが男の甲斐性だろ!?」
項垂れるテラを叱咤する。
「…そうですね。」
ゆらりと立ち上る気迫。
「待ちなさい!
『スーザンヌ』を牽くのは僕です!
そんな怪しい毛脛なんぞにこの大役、渡しはしませんよ!」
ホント剣士ってより車夫だよな。
すまんな親父さん。
そして顔も知らぬテラの婚約者さん。
テラの事は諦めてやってくれ。
「先ずは最寄りの街だな」
俺達は走り出す。
それぞれの希望に向かって。
彼等はまだ知らない。
テラの婚約者『カオル・サワ・イオリ』が『大根の漬物』である事を…。
〜fin〜
すいません。
私の表現力と文章力でさアクアを輝かせてやれませんでした。
即興で書いたのでノリと勢いだけで書きました。
楽した分だけ穴だらけで先が無さそうです。
『カオル・サワ・イオリ』を漢字に直すと『香・沢・庵』です。
オチを読んだ瞬間、読者さんの頭の中で婚約者(人間)が沢庵漬けに化けたら私としては大成功だと思っています。
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まず、読んで一番最初に思ったのは『感想欄って結構長文載るんだな……』でしたw
次にあとがきに対しての感想になりますが、
「即興で書いたのでノリと勢いだけで書きました。楽した分だけ穴だらけで先が無さそうです。」
とのことですが、文章量はあるし、え?そこ?みたいな突っ込みとかテラの謎の性癖とか面白い部分がちりばめられてて
連載じゃなく、短編だったら全然いけそうな感じがします!
ちなみに、個人的にツボったのは、「座天使」に対して
『The☆天使』っつうぐらいだからさぞ天使っぽいんだろうしさ。
のとこでした。そこまでまともなキャラできたところで、こういう勘違いを挟んだのが笑えましたww
ちなみに自分が普段投稿している小説は
短いときで2000くらい
長い時で4000くらい
平均で3000くらいです