第九話 一人目遭遇
学園生活スタート!
僕は机の上で目を覚ます。どうやら疲れで十時頃まで寝てしまったらしい。三月三十一日を迎えた僕は外がやけに騒がしいことに気づく。昨日は物音一つ立っていなかったのに何故だろうかとしばらく思案して気づいた。おそらくこの学校の生徒が帰ってきたのだろう。この学校は全寮制だが二月二十八日から三月三十日までは校長以外は全てが立ち入り禁止となる。・・・何でかは知らないけど。昨日、正確には三月三十日に僕が寮にはいれたのは校長さん(?)が荷物整理のためと、四月一日の転校日前に姿を見られたらつまらない・・・校長談・・・という理由だそうだ。その間は実家に帰ったりするらしい。僕には実家なんてないんだけどね(笑)。とりあえずおなかが減ったから昨日校長さんから貰った差し入れのそばをゆでることにした。まだ眠さでおぼつかない足と睡眠から半分覚めてない頭を抱えながらキッチンに向かう。そのとき突然玄関のドアの前で声がした。
「あれ、ここ人いたっけ。」
次にピピーという電子音がする。魔法素粒子が入居者のものでは無い時に鳴る音だ。だがこれはまずい。入居者のいない部屋は基本的にシステムがついていないので鳴らない。つまり鳴ったと言うことは入居者がいると公言してるようなもので・・・・・・
「みんな!ちょっとこっち来てみて!」
次第に喧騒が大きくなる。音を立てないほうがいいと判断した僕はそばを諦め、おにぎりを作ってヘッドフォンをつけて音楽を聴きながらいまだ身体の中に残る倦怠感を追い出していった。
夜になるまで喧騒は消えずこのまま続いて寝られるのだろうかと一時は思ったがさすがに二十二時にはおさまった。明日は早いから寝ようかなと思い、その思考に逆らうことなく僕の身体は眠りについた。
四月一日四時二十一分起床。朝は誰にも会いたくないと思っていた僕は急いで着替えて部屋を出る。行くあては校長室の一つしかなくとりあえず向かった。
校長室のドアを軽くノックする。時刻は四時四十六分。すぐに「入っていいよー。」と言うのんきな校長さんの声が聞こえる。校長さんってねおきいいんだなーとおもいながらはいるとそこには校長さんと一人の女子生徒が立っていた。
一人目遭遇
ひとりめキターー