第三話 導く灰色の霧
今回は少なめです。
現在僕は某国の小さい丘の上に座っていた。僕の遥か頭上には星々がきらめき、膝の上には今回の127人目の犠牲者として名を連ねる予定だった12歳ぐらいの少年が気絶して横たわっている。気絶させたのはもちろん僕だ。そして、僕から北に数十メートルの所には先が見えないくらいの濃い霧が立ち込めていた。おそらくこの少年はあの霧の中に入る予定だったのだろう。
・・・でも、君が入らなくてもいいんだよ。
と心の中で語りかける。一瞬少年の頬が緩んだ気がした。
・・・さて。待ち人を迎えに行ってやるとしよう。
僕は頭上のこの世の華麗なる星々に別れを心の中で告げ、星々の光の届かない霧へと入場を始めた。
僕は霧の中を唯一直線に歩いていた。既に周囲には灰色に染まった霧しか見えず、僕だけが存在していた。霧の中に入って十数分後、前方から差し込む白い光が確認できた。僕は霧を掻き分けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
神の領域へと足を踏み入れた。
次回、神と遭遇します。主人公の名前がまだ出ていませんがそろそろ出します。ちなみに女の子っぽい名前です。