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世界樹図書館の建物の外観は、蔦に覆われた大きな城のような建物だった。

1階が半地下になっており、入り口は正面にある黒い石の大階段を上った2階からとなっている。

蔵書の全てが限られた人間にしか貸し出しを行わない事もあり、一般のお客様は2階のフロアにある閲覧だけはできる書物を書き写したりメモしたりするのみだった。

全ての本に鎖と錠前が付いているので、呼び出されるのは2階フロアに無い書物を読みたがっている人か、滅多に居ない貸し出し許可を兼ねた図書カードを持っている人だけとなる。


カウンター前に居る人物は、まるで見覚えは無かったが、黒髪黒瞳に平たい顔の…多少、日には焼けているが象牙色の肌の日本人のように見えた。

カウンターによりかかって館内を見回している彼は、皮製の鎧のようなものを着込んで、腰にはショートソードっぽいものを帯剣してはいたが、どちらもさほど使い込んでいる様子は見受けられない。

この街に来て、運良く保護されたか、援助してもらったのだろう。

だが、自分が異世界の人間である事を隠した為に、街からの説明は受けていないといった所か…。


「いらっしゃい。何か御用でしょうか?」

「え?君って日本人じゃ?あ…ええと、ここに無い本は無いって聞いたから、元の世界に返れる方法が無いかと思って…そういう本てやっぱり無いよね?」

「方法が詳しく載っており尚且つ確実に帰れる可能性の高いものなら、ざっと127冊あります。ですが123冊は禁書扱いで閲覧も貸し出しも不可となっております。それと、私も日本人ですよ」

「え…あ、え?ええと…えええ?」


混乱している彼に、どう話どう行動させるかを考えながら、私は言った。

「館内ではお静かにお願いします」

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