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存在  作者: ヘタレスター
2/3

2話:怖がりな俺。

「ウォッ!!」

どこか高い所から、落ちる夢を見て目が覚めた。

「暗い‥‥。」

窓から見える空が、寝る前に見たギラギラ照りつける太陽から、神秘的な光を放つ、月になっていた。

携帯の時計を見ると八時十七分だった。

「‥‥夜じゃん。‥‥!!えっっ!!なんで!?だれかしら起こしてくれんだろぉーぅ!!」

とりあえず文句を言っといた。

「仕方ないから、とっとと帰ろう。」

と思い鞄を持ち、席を立った。すると‥‥。

「カッカッ」

と足音が聞こえてきた。

「ヤベー‥‥。見回りの先公だ。指導室に入れられる‥‥。隠れなきゃ!!」

隠れられる場所は、ないかとキョロキョロしてる間にも足音は大きくなっている。

ヤケクソになり、机のしたに隠れた。そして、足音を聞いていた。

「カッカッカッ」

足音がさらに近くなっている‥‥。

ここで彰はおかしいことに気が付いた。

「見回りにしてはおかしくないか?」

それというのも足音は、一階の職員室の方から聞こえたが、二階の一年の教室へ向かわずに、真っすぐに三階‥‥俺たち二年の教室に向かっているのだ。

これには、少しびびってしまった。

この前見た、ホラー映画を思い出してしまったからだ。

内容は、生徒が数人校舎に閉じ込められ、一人ずつ消えていくというものだ。

その中のワンシーン。

机のしたに、隠れた男子生徒が幽霊に見つかり、断末魔と共に消えた。というものだった

そんなことを、考え怯えていると足音がすぐそこまで近づいていた。

そして、教室の前まで来た。

「ガラッ」

という、ドアを開ける音。そして一呼吸置いて、教室の明かりが付いた。

急に電気が付き、びびって

「ガタッ」

という音をたててしまった。すると、

「だれっ‥‥!?」

と女の声が聞こえた。

恐る恐る、顔あげて声の方を見てみると、俺の高校、『東高校』の女子制服を着た、ショートカットの女の子が立っていた。

「クラスの女の子かな?」

と思った。確信はない。

この高校はクラス替えがなく、当然、同じクラスの奴なら二年間、付き合っていたことになる。

しかし、最初の一ヵ月をのぞいて全く喋っていない。

なので顔も、名前も覚えてないのだ。

しかし、こちらから

「この、クラスの人?」

と聞いてしまっては、確実に相手を傷つけることになる。

そんなこと考えてると、彼女が口を開いた。

「‥‥同じクラスのなんとか君だよね?」

なんとか君ってなんだよ。と心の中でツッコミをして

「あぁ、そうだよ。ちなみに金井だよ。」

「あぁ‥‥。そうなんだ。ごめんね!!‥‥というよりなんで金井くん、こんな夜中にいるの?」

「大丈夫!!俺も忘れてるから!!〈現在進行形〉」

‥‥とは言えないので、言葉を探す。

「ち‥‥ちょっと、ね、ね寝過ごして‥‥。」

チッ、女と話すのなんか久ぶりだから、あがっちまってる。すると彼女が

「あぁ〜〜!!そういえば、ずっと寝てたねっ!!アハハ!!私は、携帯忘れちゃってさぁ、取りにきたんだ!!」

と言った。勝手に話し進めやがって、ヴォケ!!と心の中でつぶやき帰ろうと思うと。

「怖いから、一緒に帰ろうよ。」

と言ってきた。

俺は、窓から飛び降りた。

自殺じゃないし、もちろん三階だって知っている。

ただ、飛び降りずにはいられなかった。

自分でも信じられないぐらいうまく着地できた。足を痛めたが‥‥関係ない。

「女と帰れるかっ!!」

と言葉を吐き捨て、スリッパのまま自転車を、力一杯こいだ。

空には、星達が無数に散らばっていた。

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